■■■ 「日本の樹木」出鱈目解説 2012.12.11 ■■■

   冬芽の王様の木

冬枯れの樹木の見所は、巨木なら樹形だが、側で眺めることができる場合は、なんといっても「冬芽」では。

公園あたりだと、目立つのは、やはり柔らかそうな毛が密に生えている木。いかにも冬の寒さ対策のオーバーのような感じで親近感が湧く。

しかし、どうも、その手の冬芽は少なく、たいていは、硬そうな皮で覆われている。葉緑素が無いせいか、赤っぽい色が多い。

そのなかでも、異様というか、偉容と褒めたくなるのが、槍の穂先形状で、ベトベトしている冬芽。虫などに芽を食べられない工夫かと思ったら、防寒用との解説だらけ。いわずとしれた出典はわからず情報のコピーだらけ。この形態はどう見ても珍しいのだから、機能は自明とは言い難いのだが。素人で考えられることは、水滴付着防止や湿度維持くらい。
気にはなってはいたのだが、何の木か調べずにいた。それが、栃の木であることを最近知った。
西洋栃の木こと、マロニエにはこんな冬芽は無いという。

と言うことで、これぞ冬芽の王様というのが小生の評価。
古代の日本列島の王国を支えてきた木のイメージにピタリと符合する姿では。

そうなると、差し詰め、ナイトはクロモジか。まあ、好みだが。
トチノキが鈍器的な重装備の槍なら、こちらは華美な切っ先鋭い槍といったところ。

トチノキとクロモジを持ち上げるのは、実は、冬の山道でその存在に気付く木だから。
冬になると、当たり前だが、葉による樹種判別が難しくなると言われている。しかし、この2木だけは、冬の方がわかり易い。

(参考サイト)
−第 9 号−「寒さや乾きに耐える草木の知恵」 (執筆者:永井昭三) Science Museum Tokyo



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