■■■ 「日本の樹木」出鱈目解説 2012.12.12 ■■■

   師走最後だけ人気が出る木

譲葉と言えば縁起物。お飾りなので、誰でもよく知っている。ところが、その樹木となると、植わっていそうな場所がすぐに思い浮かばなかったり。いかにも丈夫そうだが、ほっとらかしでも元気に育つから、普段は見向きもされない木ということだろう。

庭木に多いといわれているが、はたして本当だろうか。余り知られていないようだが、葉にはアルカロイド成分が含まれている。そうなると、今日日、避けるお宅の方が多いのではなかろうか。古代は、葉固め儀式に使われたというが。赤ん坊には危険な感じがしないでもない。

そんな風習があったことを知ったのは、枕草子40段。 ここには、花を愛でることがない木々があげられている。そのなかに、譲葉も。
師走のほんの最後だけ、矢鱈にもてはやされる木としてとり上げられている。昔からそんな扱いだった訳だ。エスプリの塊といえそうな清少納言も、この扱いについて一言書こうと思案したに違いないが、流石に無理だったようだ。子孫繁栄と言うことで歳神様用お飾りに使うのだから、コメントのつけようがない訳だ。

結局のところ、ふくよかそうな葉の質感と茎の色。逝ってしまった人へお供物をのせるのにピッタリとのお墨付きだが、現代にまでは、その習慣は受け継がれなかったと見える。一方、赤みがかった茎の方だが、恋の歌など引用したりしているところを見ると、なにやら艶かしさを感じたようだ。
大きな木に成長すると、確かに、この赤さは目につく。植栽された樹木と思われるが、渓流沿いに生えていたりすると、特に目立つ。まさに、いとおかしである。と言うか、なんとなく場違いな木という感じがするのである。
日本のお正月には無くてはならないお飾りだが、南洋系の植物的な印象も。


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