■■■ 「日本の樹木」出鱈目解説 2012.12.21 ■■■

   日本原産「ふぁち」の木

高尾山によく行くようになった。人だらけだから、昔は行く気がしなかったが、交通の便と費用の点で圧倒的な魅力が出てしまい、お気軽に出かけることに。紅葉平で富士山を眺めながら瓶ビールを飲めるからでもあるが。
お蔭で、最近の小学生の知識水準もうっすらとわかるようになった。先日気付いたのは、ヤツデを全く知らない子供だらけらしいという点。ヤツデって天狗の葉団扇と言われても、ピンとこないのである。これにはビックリ。

ヤツデなど、そこらの家々の玄関横辺りに必ず植わっていたような覚えがあるし、なんか、そこらじゅうで見かけたような気がする。鉄砲玉にした覚えもあるが、余り上手く飛ばなかったような。忘却のかなたである。
もっとも、汲み取り便所の蛆殺し用というのは、今の今迄知らなかった。そういえば、便所の脇あたの薄暗いところに生えていることも多かった。
そんな卑近な植物だったのに、今や、滅多にお目にかかれない植物と化しているようだ。

有名なのは、「八つ手」という名称にもかかわらず、7つまたは9つで、8つに裂けることは無いこと。誰でも、ほほー、そんなものなのかと言うが、実際に数えてみる人は少ない。それほどの関心はないからである。
シーボルト先生なら数えそうだし、幸運の「七つ手」とか称して欧州に紹介しようと考えそうな気がするが、紳士はそんなことはしない訳か。それとも、8は日本の吉数ということを知っていそうだし、7と9の平均値ということでヤツデという名前に納得したかな。
尚、古い発音の「ふぁち」を取り入れている「Fatsia japonica」の名付け親は、シーボルト先生ではなく、出島の和蘭商館御付Karl Peter Thunberg(1743-1828)医師。

(ウエブリソーシスから)
Fatsia japonica (Thunb.) Decne. & Planch 身近な植物 近畿の季節の野草



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