■■■ 「日本の樹木」出鱈目解説 2012.12.22 ■■■

   名前が西域風で派手な花木

「立てば芍薬、坐れば牡丹」の芍薬だが、草本である。冬になると地上部は枯れてしまう。根が残っていて、暖かくなるのを待つ訳だ。草本なので、茎が真っ直ぐ立ち上がり、その先端に上を向いた派手な花がつく。成る程、見事な立ち姿と言えよう。
一方、牡丹は「木の芍薬」と呼ばれる。木本だから、枝分かれするし、重さに耐えることができるから。さらに大きな花が咲く。斜め向きが多い。じっくりと落ち着き払った座位との見方は正鵠。
・・・と思っていたら、漢方処方の極意も含んでいるそうだ。「立った状態で何時間でも井戸端会議ができる女性は芍薬を、すぐに座りたがる女性には牡丹皮配合の処方を考えなさい」ということとか。

漢字名称「牡丹」は、オシベが目立つ丹色ということだろうから、味もそっけもない命名。発音当て字かも知れぬが、そうなると西域から渡来ということか。乾燥して寒い地でも適応できるが、肥沃な土壌と陽が当たる場所という条件が必要らしい。さすれば、その出自は、かつては気候条件が良かった、「失われた都」周辺の山地ということかな。

薬用植物が、観賞用の園芸植物にされるまでには紆余曲折があったと思われるが、権力者の威光が効いたのは間違いなさそう。その象徴が李白(701-762)の三首。玄宗皇帝の命で、楊貴妃と牡丹を題材に、即興で作られ、演奏されたもののようだ。
 「清平調詞 其一」
  雲想衣裳花想容
  春風拂檻露華濃
  若非郡玉山頭見
  會向瑤臺月下逢
 「清平調詞 其二」
  一枝紅艷露凝香
  云雨巫山枉斷腸
  借問漢宮誰得似
  可憐飛燕倚新妝
 「清平調詞 其三」
  名花傾國兩相歡
  長得君王帶笑看
  觧釋春風無限恨
  沈香亭北倚闌干


ここまで書いていて、どうも場違いな感じがしてきた。冬牡丹の鑑賞より、ボタン鍋に司牡丹の方が性に合う。格好などつけず、山鯨に酔鯨にしておくか。

(ウエブリソーシスから)
身近な生活にある薬草植物 女性に優しい植物 by 野尻佳与子(2004年5月)内藤記念くすり博物館 エーザイ
牡丹 Mudan Medicinal Plant Images Database School of Chinese Medicine (@HK 繁字体)



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