■■■ 「日本の樹木」出鱈目解説 2013.2.16■■■

   遠き南の島の木

名も知らぬ遠き南の島より来訪とくれば、それは椰子の実に決まっている。黒潮に乗って、荒波に洗われながら、長旅の末にようやく本州にたどり着いてご苦労さんとなる訳だ。小生は、打ち上げられると芽吹いたりするから、流石、ポリネシアの植物だけのことはあると感心する口だが。まあ、情緒からすれば、ココヤシだが、日々無くてはならない生活物資という観点からみれば、パームオイルを供給してくれる椰子の実の方である。
ココヤシは熱帯のリゾート地ならどこでも生えている樹木だが、アブラヤシ(パーム)は滅多にお目にかかれない。樹木も実もほとんどイメージが湧かない状態。

ということで、日本における椰子の木イメージとしては、「南国的」観光地の街路や公園に植栽されるカナリーヤシ(フェニックス)というところか。枝の剪定不要なので、メインテナンスは楽ということで、植えた可能性もありそう。そう思うのは、枯れた葉が落ちそうになっている樹木がそのままだったりするから。背伸びをして南国イメージを出そうとしている努力感が一抹の寂しさを呼ぶ。
フェニックスなら、宗教上の椰子となりそうなものだが、聖書に登場する椰子はナツメヤシ(デーツパーム)。しかし、棗椰子と翻訳されていないことの方が多そう。棕櫚だったりして。デーツが売られているようなスーパーは少ない状況だから、致し方ないが。
この辺りは話題になる椰子の木だが、サゴヤシ(サゴパーム)やパルミラヤシ(シュガーパーム)となると、その名前も聞いたことがない人もいそう。これらになると温室で育てる気もおきないだろうし。ただ、後者は椰子酒として、そのうち流行る可能性もあるが、前者は澱粉用だから、南国料理でも流行らない限り、だんだん名前を耳にしなくなってきそう。

さて、そのココヤシの実だが、すぐ使えるように粗方表面を削った形でスーパーで廉価で売られることがある。仕掛けはなかなかのものだが、今一歩人気がでないようだ。アメ横あたりだと、折角遊びに来たのだからと、実にストローを挿してジュースを飲む人が多いが、普段の生活シーンでは一寸無理があるのだろうか。

おっと、一つ忘れるところだった。ニッパヤシ。これも日本での植栽は無理そう。
セブ島といった観光地では、ニッパ葺きの建物を用意し、南国リゾート感を醸し出している。今時、ニッパハウスでもなかろうと思うが、材料作りの商売が存在しているところを見ると、どうしてもニッパハウスに住みたいという人もいるのかも。
もっとも、屋根葺き材と称しているが、実際はお土産のバスケットや帽子に使われるだけかも知れぬが、実際はどうなんだろう。


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