■■■ 「日本の樹木」出鱈目解説 2013.8.17 ■■■

   才女の木

日本の固有種で「Japanese Beautyberry」と呼ばれる木があることを知り、初耳の低木だったから、わざわざ見に行った覚えがある。
確か、初秋の頃だったが、薄紫色の珠状の実がまばらについていた。しかし、美しいという感じはしなかった。と言うか、枯れていくと思われる元気の無い葉に囲まれているので、色調的な冴えが全く無いということ。
ただ、名前だけは美しく、誰が名づけたのかわからぬが秀逸。
・・・と言えば、ご想像がつくかと思うが、才女、紫式部である。

雑木林に結構生えているとか耳にするが、たとえそうでも、凡人には見かけて気付くような木ではなさそう。一般には植物園で初対面の樹木だと思われる。新宿御苑や白金自然教育園にももちろん名札付きで栽培されている。
と言うことで、時々お目にかかることになるのだが、秋以外はおよそ地味な木である。花木愛好者は咲く花を愛でるらしいが、こちらもたいして目立たない。そこが奥ゆかしくて好いのかも知れぬが、わざわざ眺めに行くような花ではなかろう。
・・・との感想をふと漏らしたら、それは庭木を見ていないからだと言う人がいた。

しかし、それも、フーン程度で聞き流してしまった。
と言うのは、園芸用で売られているのは、ムラサキシキブとの札はついているものの、実はコムラサキという品種と聞いていたから。こちらは、実が立派で沢山ついているそうだ。

その後、とある展示会でムラサキシキブを見かけた。
これが、なんと言うか、紫色の実が輝いていたのである。気品を感じさせる木であることを知った。確かにこれは日本的だと思った。
葉は落ちきっており、枝ぶりが見える状態になっていたのである。

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