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2000.3.18
 
 


技術政策の失敗が不況を招いた…

 日本の不況は、金融業界が招いたという意見が多い。誰も、この意見を否定はしまい。しかし、製造業は強いのに、金融が弱体だから、日本が不景気から回復しないという意見には賛成しかねる。

 米国の好景気を金融業が牽引していると見る人はいまい。情報通信産業の成長が経済全体に好循環を作り出していると見るのが常識だろう。情報通信技術の進展により斬新な製品が次々と上市され、これを利用して新事業が生まれるから、絶好調なのである。これは、米国だけではない。この分野に係わる国も、おしなべて好調である。インドのソフト産業など、年率50%で伸張が続いているし、台湾やシンガポールのエレクトロニクスも好調である。ところが、日本だけが、不調だ。
 素直に受け取れば、「日本の不況の原因は情報通信産業に成長余力がなかったこと」としか読めまい。

 要は、日本企業は90年代に情報通信分野でヒット商品や新産業をつくれなかったが、米国は創出したということだ。これは金融問題とは直接関係無い。
 90年代の大きな波は言うまでもなくパソコンだ。日本企業は、半導体も強かったし、液晶ディスプレーもリーダーだった。培ってきた技術をバネに、本来は大きく発展できた筈なのに、逆に沈滞を招いてしまった。しかも、研究開発費のGDP比率で見れば、80年代後半から90年代を通して、日本は米国より研究開発に注力し続けてきた。にもかかわらず、この結果だ。
 エレクトロニクス大国と呼ばれた国が技術開発に手を抜いた訳でもないのに、情報通信産業が弱体化したのだから、技術政策が間違っていたと見るべきではないだろうか。
 このような事態が生じたら、どこが問題かを摘出し、なにをすべきか急いで検討するのがマネジメントの基本だと思う。

 しかし、反省よりは、「日本の技術は優れているのだ」と胸を張る発言しか聞こえてこない。携帯電話とゲーム機の爆発的普及で、業界に活気がでてきたからだ。
 一見、「日本復活」にみえる。しかし、技術政策が同じなら、再度同じ失敗を繰り返すとはいえまいか。


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