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2000.7.15
 
 


日本は相変わらず製造業牽引型経済…

 99会計年度の経済成長率はプラスになり、様々な経済指標は不況からの脱出を示していると報道されている。景気の谷も指摘されたから、上昇路線に乗ったと、大方の意見は揃ってきたようだ。

 といっても、家計調査結果からは家庭消費が回復基調に転じたという証拠は見られない。そうなると、企業の設備投資に、経済成長の牽引車の役割を期待するしかないといえよう。

 東洋経済「会社四季報」が2000年5月に行った企業の設備投資計画の調査結果によると、2000年度は製造業で2桁増が濃厚だという。99年度はマイナス1桁成長だったから完全な回復といえよう。(東洋経済「統計月報」2000年8月)しかも、調査後に、エレクトロニクス系企業で設備投資積み増しの発表もあった。まさに堅調な動きだ。

 しかし、電力・ガスを除く非製造業の伸びは相変わらずのマイナス成長である。といっても、-0.1%と小さい数字にはなった。ところが、2001年度の数字に驚かされる。サンプル数が少ないから、そのまま受け取る訳にはいかないが、なんと-26.9%である。
 そのため、2001年度の全産業伸び率も-2.8%とマイナスである。
 もしも、この通り推移するなら、2000年度の回復は、一部の産業が周辺を牽引する、一過性のものだ。相変わらず、日本経済は極く一部の大企業の力で支えてもらうしかないようだ。産業構造が変わる兆候は見えない。

 その大企業が技術競争力を失ったら日本経済は一体どうなるだろうか。これは危惧ともいえまい。
 非製造業の設備投資、家計消費の両方ともに沈滞が続くなら、企業は生存のために、研究開発の主体を海外に移さざるを得まい。その時が日本沈没の始まりだ。
 政治家はこうした問題意識が皆無のようだ。


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