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2000.8.19
 
 


政治家の体質に「愕然」…

 日本は情報通信分野でそんなに遅れている訳ではない、と考えている政治家がいることを知った。

 光ケーブル敷設進展度や、携帯電話普及率を見て、日本は十分頑張っていると考えているらしい。このような数字では進展度など議論できないのだが、そうは思わないらしい。情報通信分野への予算を増やすことが振興政策と考えているようで、産業界とは発想が全く違う。愕然とした。

 そもそも、情報通信に対する感覚が違う。光ケーブルをいくら敷設しても、家庭やオフィスに繋がらないなら、社会には何のインパクトも無いことが、わからない。若者文化としてのケイタイがいくら普及したところで、社会の仕組みが変わらないのなら、一過性に終わることも理解していない。このままでは、本当に大変なことになる。

 政治に期待していることは、情報通信技術を活用して、社会の仕組みの高度化を図る政策を打ち出すことだ。仕組みは今までのままで、設備や製品を高度化するだけでは、進歩は限定的である。他国は走っているのだから、のんびり歩くということは、後ろ向きに歩いているのと同義である。すでに、日本は極端に遅れている。
 ところが、政治家には危機意識はまるでない。新しい動きはなるべく避ける方針のようだ。おそらく、ついていけない人がでるとこまるから、進歩のスピードをできる限り遅くしたいのであろう。
 例えば、決算報告のインターネット開示制度など、極く当たり前のものと考えていた。ところが、日本の現行規定では、これは正式なものではないと聞いた。企業の情報公開は新聞社・通信社・放送局による報道が必要なのだという。
 米国では逆だ。インターネット公開が原則である。当然ながら、当局への提出も電子ベースである。こうした体制が確立したのは96年である。 こんな簡単なことでさえ、変えたくない体質なのだ。

 このまま続けていれば、技術ベースの産業は、国内では遅れた研究開発しかできなくなる。そうなると、日本のハイテク産業は競争力を失う可能性が高まる。


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