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2000.10.21 |
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TLOは大丈夫なのか…TLOが頑張っているという。日本版バイ・ドール法とのふれこみで「官」が力を入れた仕組みが、うまく動き始めたようにも見える。このような段階では、形式的な成果を追求していないか、十分注意を払う必要があろう。現時点では、できる限り早急にキャッシュフローが回るオペレーションにするのが、TLOの最大の課題だろう。しかし、外から見る限り、不安がよぎる。 企業から定常的に会費徴収を図っても、1社で年10万円程度あろう。これで数百社集めても総額は数千万円だ。一方、見返りは情報提供だが、このコストは結構かかる。役に立つものにしようと思えば、専属スタッフが必要となる。会費から金銭的な余裕を生み出すのは難しい。紹介料を徴収する考えもあるが、格段の付加価値のない紹介では、企業からみればメリットというより税金に近い。TLOの価値を低める動きになってしまう。 本業は、立ちあがり時には、金銭的には綱渡りになる。特許出願と維持のためのコストは小さいものではない。実施許諾の交渉・締結についても同様だ。専門の民間企業が有る位の面倒な業務である。片手間サポートなど無理だ。これだけの出費をカバーできる収入を確保する必要がある。従って、魅力的な知的所有権がない限り、TLOは自立できない。それは設立時からわかっていたことだ。 鶏と卵の関係があるから、最初はともかく特許化という出費が嵩む業務が続く。しかし、これを何時までも続ける訳にはいかない。見返りが何時までもなければ破綻する。これを避けるには、有望そうな研究成果の権利化とマーケティングを徹底的に進めることだ。ここが、成功の鍵である。 ライセンシングの数にさしたる意味はない。数年間しか続かない売上数千万円の事業から3%程度のロイヤリティ収入があったとしても、これがいくつかある程度では、TLOのオペレーションを支えきれまい。民間の技術ブローカーを見れば明らかだが、大きな収入を生み出しそうなものを持てるかどうかが、重要なのだ。企業の研究マネジメントと同じで、絞り込みできなければ収益性はとてつもなく低い。 実は、1年間で運営のノウハウを得たと語るTLOがあるというので驚いた。 外部業者でもできることを、自分達もできるように、と頑張っているのでなければよいが。専門家を投入しないで、有望な研究成果の選定、広い権利化の促進、マーケティング等、のノウハウを得るのに、1年では難しいと思うのだが。 政治への発言の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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