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2002.9.1
 
 


理解し難い住基ネット論議…

 住基ネット開始後約1ヶ月。ようやく落ちついて語れる雰囲気ができてきた。

 突然、反対運動への参加を呼びかけられたり、賛否の意見表明を求められたりする。急な動きに驚いたが、「反対」理由が錯綜している点には、もっと驚いた。

 投資効率の悪さから、反対する人がいる。その一方で、効率向上がすぎると、突然のダウンで大損害を被るから、このような仕組みは駄目だ、という人がいる。
 国のデータ管理だから絶対反対、の人がいる。ところが、全体の管理責任が不明瞭なので反対と叫ぶ人がいる。
 データ盗用防止策が弱体なままでの運用に反対する人もある。ネットワーク化自体が間違い、との極端な意見もある。

 様々な意見があるのは当然だ。驚いたのは、意見の多様性ではない。これらの「根拠」である。

 「住民票取り扱いならコピー機で十分」「外部からのハッカー侵入防止は不可能」「コードがオープンでないOSは危険」と語る人がいるのだ。
 住民基本台帳はすでに電子ファイル化済みで、各市町村が個別管理している。これに、サーバを接続し、専用線で結ぶことで、全国の機関へデータを直接送信できるようにしたのが「住民基本台帳ネットワークシステム」だ。(http://www.soumu.go.jp/news/970617b.html)
 明らかにありえない論拠ばかりだ。ビジネスマンなら、このような状況では、とても賛否の意見を述べる気にはなるまい。

 もちろん、データが漏れる可能性はある。しかし、これは住基ネット以前でも同じだ。
 個人情報保護意識を欠く自治体があるのは事実だ。「地域によっては納税名簿が自治会にわたり、市町村民税の徴収を委託」しているし、(http://www.ryukyushimpo.co.jp/shasetu/sha20/s020805.html) パスワードを使いまわす、杜撰な管理体制の役所もある。(http://www.kyodo.co.jp/kyodonews/2002/juki/news/20020813-129.html)

 今日明日に、この文化を変えられるものではなかろう。しかし、そのままにしておく訳にもいくまい。
 反対・賛成の色分けをするより、もっと前向きの議論はできないのだろうか。


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