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2002.12.16
 
 


自滅の道を歩む日本の農民…

 2002年12月、食糧庁が山形県産「あきたこまち」からカドミウム汚染米が発見されたと発表した。 (http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20021212k0000m040034001c.html)
 この地域は、大牟田市や魚津市といった特定地域外で、自治体の要請で測定した結果だという。このことは、どこが汚染地区か、安全地区なのか、全くわからないことを意味する。測定対象地域が開示されず、信頼性が薄い仕組みだったが、この発表で信頼性を失ったといえよう。

 このまま放置すれば、日本産米は遠からず食用不適格になる。

 そもそも、食糧庁が1970年に作成した許容基準自体が、すでに時代遅れの可能性が高い。日本のカドミウム汚染とは1ppm以上、準汚染米は0.4ppm以上に設定されているが、研究報告を見れば、危険水準を許容したものと言わざるをえない。

 カドミウムの生体影響度の研究から見ると、1日摂取量50μgが長期間続くと、尿細管障害が数%の人に発症するとの研究報告が1998年のイタイイタイ病国際シンポジウムで発表された。[Friberg, Vahter and Berglund]
 尿中のマイクログロブリン濃度で影響度がわかることを利用して、症状と摂取量の相関を検討した研究だ。 (http://www.toyama-mpu.ac.jp/md/pubhlth/ibyo3.html)
 この結果が正しいなら、食糧庁基準の改定は必至である。

 すでに、日本人の平均的摂取量は1日50μgだという。この研究報告からすれば、すでに危険水位に近い。この状態で、0.4ppm程度の米飯を食べていれば、危険ラインの1日200μgを摂取しかねないからだ。

 国際規格0.2ppmの確立を待つような悠長な取り組みでは、遅すぎる。汚染フリー認証システムを早く作らなければ、日本の米作は全滅しかねない。
 にもかかわらず、農民からは、何の提案もない。政府が助けることができるとでも思っているのだろうか。


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