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2003.2.14
 
 


韓国新政権の核容認方針…

 韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)新政権誕生で、地域の安全保障が根底から揺るぎ始める。

 NewYorkTimes2003年2月11日号によれば、新政権の幹部が「the incoming government would prefer that North Korea had nuclear weapons to seeing it collapse」と語ったという。(http://www.nytimes.com/2003/02/11/international/asia/11KORE.html)
 北朝鮮の核兵器は南を狙うことは無いから、膨大な難民が発生するより、核武装を容認した方がよいとの考え方だ。
 核問題は傍観しても、なんとかなる、という無責任外交が韓国新政権の基本方針のようだ。

 このような方針で、日米韓の共同歩調を目指すらしい。政治的流れに鈍感な政権と言わざるを得まい。

 そもそも、北朝鮮の核武装をリスクと感じないこと自体が驚きである。
 朝鮮日報の記者も、「暗い報道は経済に悪影響を及ぼす」と語る次期大統領の姿勢に疑問をなげかけている。政府は、ムーディーズが韓国の国家信用格付けを下方修正するとも思わなかったらしい。(http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/02/11/20030211000065.html)

 韓国次期政権のこうした態度を見ると、底流に、北朝鮮と同じ「抗日」思想を感じる。つまり、北朝鮮の脅威より、それに乗じた日本の「普通の国」化防止を優先しているといえる。従って、北朝鮮のミサイルは日本には飛ぶが、韓国には落ちまい、と考えてしまう。
 これでは、日韓の安全保障を一手に引きうけている米国の方針と、真っ向から対立することになろう。

 9.11以降、米国は軍事方針を180度転換した。以前の抑止力重視から、テロと戦う体制構築優先に変わったのである。しかも、テロ容認政権への先制攻撃なくしてテロ抑止は無理、という思想が濃厚だ。タリバンしかり、フセインしかりである。この理屈から言えば、北の金政権も同様な扱いにならざるを得まい。

 問題は、ミサイルを揃えているため、タリバンやフセインとは比較にならない程、ハイリスクな点だ。
 韓国内の重要施設と在韓米軍を標的とするスカッド、第7艦隊を始めとする日本在留米軍と支援施設を標的とするノドン、沖縄駐留米海兵隊を標的とするテポドンが揃っており、北朝鮮はまぎれもない軍事大国である。
 たまたま現在が「休戦」状態にあるだけで、北朝鮮は一貫して抗日・反米のスローガンのもと、臨戦体制を敷いてきた。

 こんな状況で、韓国新政権は北朝鮮の核武装容認を図る。金政権支持としか思えない方針だ。
 東アジアにNATO型安全保障体制を構築する提言ならわかるが、これでは、地域の安全保障体制はズタズタになりかねまい。


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