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2004.7.26



おぞましいニュース…

 不快感を通り越し、思わず「おぞましい」という言葉がでかかるニュースが流れた。

 産婦人科クリニックが、中絶胎児の体や手足をはさみで切った上、ポリ袋で包み「ごみ」として捨てていたという。血液や体液を含んだ脱脂綿などの感染性廃棄物と一緒に適正に処理されたそうだ。(1)

 堕胎は違法なのだが、22週未満の人工妊娠中絶に限っては合法(母体保護法)である。そして、中絶胎児齢が12週未満なら、法律上(墓地埋葬法)、死体としては扱われない。
 従って、中絶胎児をごみと捨てても、違法行為ではない。倫理的な問題なのである。

 このような環境下で、中絶胎児の細胞を使った再生治療の研究が進んでいる。研究における倫理と、試料利用の是非に関する論議が続いているが、結論ははっきりしない。(2)

 論議はどうあれ、研究は結論を待ってから始まる訳ではない。
 早急に結論を出さないと、闇で勝手な動きが発生してしまうのではなかろうか。結論を先延ばしにすべきではないと思う。

 もともと、中絶を正当化された殺人と見なすのか、胎児は人間と考えないのか、はっきりしている訳ではない。
 命を定義できない以上、いくら議論しても、解に到達できる筈がなかろう。法律による規制で秩序を正すといった発想では、この問題には対処できないのは自明だ。

 従って、倫理の専門家の指導や、法律論で結論を導くのではなく、政治による決断しかあるまい。
 先ずは、政治家が、この問題に対して、明確な態度を示すべきではないだろうか。

 --- 参照 ---
(1) http://www.asahi.com/national/update/0720/003.html
(2) http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news_i/20040407so11.htm

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