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2005.9.20 |
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地域で守ろうみんなの命…米国南部を襲ったハリケーン“KATRINA”の被害は想像をこえていた。自然の威力はそんなものだろう。 それより驚いたのは、行政側の対処の余りのお粗末ぶり。テレビニュースから判断する限り、FEMAの無能力ぶりは予想を越えていた。住民の怒りは相当なもののようだ。(1) 救援無しで飢餓状態が続く避難所。死体は放置されっぱなし。街では略奪が横行。しかも銃撃戦まで展開されていた。 これが先進国とは、とても信じられない。 呆れかえったが、米国の特殊性とはいえまい。他山の石として見ておくべきだろう。 日本の行政も50歩100歩ではないかと思う。 例えば、2005年9月6日、大型の台風14号が九州に上陸、各地で土砂崩れが相次いだ。 記録的豪雨だというが、このような被害は、毎年必ず発生している。 対策がどこか間違っているのではなかろうか。 堤防/堰、山崩れ防止工事ばかりに力を入れているような気がしてならないからだ。 日本は山国である。すべてに対応できる筈もないし、そもそも予算が足りない。できないことがわかっているのに、少しでもやった方がよいという主張で、土木工事を繰り返しているように映る。 山崩れや洪水の早期警戒システムを完備して、できる限り人命喪失を防ぐことを何故進めないのか理解に苦しむ。 そして、当然ながら、万一の際を想定して、救援体制をしっかり作っておくことだろう。 もっとも、その手の話は結構聞かされている。 お金をかけた行政の警告システムは作られているし、立派な救援本部施設もあるからだ。 しかし、それが機能するか、大いに疑問である。 7月23日に発生した地震の際の東京都の対応を見れば、一目瞭然である。 震度5強を観測した東京都の消防署の情報が気象庁に到着するまで22分もかかったのである。(2) 毎年、地震対策の盛大なイベントを行うだけあって、東京都には立派なシステムが完備しているが、その結果がこれである。まともなテストをしたことがなかったことがよくわかる。早速、予算を申請して、さらに立派なシステムを導入することになろう。 圧巻は、都庁近くに設置した災害対策住宅に住む待機当番職員が参集しなかったこと。 待機するとの契約を全く守っていないのに、役割を外れるだけでお咎め無しで済むらしい。契約遵守とか、義務感皆無の組織と言えよう。(3) 9月4日には、東京23区の西域を、1時間に100mmを越える集中豪雨が襲った。 東京都は河川の氾濫対策として、地下に巨大な調節池(4)を構築している。流す方を拡大せず、調節するというコンセプトだからどうせたいした役には立つまいと見ていたが、その通りになった。 それでも、被害は小さくて済んだからよかったと総括することになるのだろう。 ともあれ、結局のところ、以前同様、街は水で覆われ、中野区では避難勧告がでた。 なかには浸水でドアが開かなくなって、119番通報でレスキュー隊にかろうじて救われた人もいた位である。電話が通じなかったらどうなったのか恐ろしい限りである。なにせ、ラジオで雨の被害や通行止めなどの情報は全く流れていなかったのである。(5) こうなることは、実は前からわかっていた。 行政が想定した豪雨とは降雨50mm程度である。100mmに達すると、もともと調節池では対応しきれないそうだ。(6) 日本全体で見れば、1時間100mmなどさして珍しくはない。当然ながら、そのような場合はどう対応するか考えているのかと思ったら、全くの想定外と平然としている訳だ。 こんな組織に、中央集権的に警告を発するシステムを任せて生活していることを理解しておく必要があろう。 防災標語の通りだと思う。 行政機構に頼らず、「地域で守ろうみんなの命」(7)。 --- 参照 --- (1) http://www.nola.com/news/kelley/index.ssf/09-06-2005?2005/09062005_toon.jpg (2) http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NCC/NEWS/20050802/165726/ (3) http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/tenki/jishin/news/20050813ddm041040128000c.html (4) http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2005/08/20f8j200.htm (5) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050905-00000006-mai-soci (6) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050906-00000017-san-soci (7) http://www.udri.net/portal/kyouiku/bousaikyouiku.htm 政治への発言の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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