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2006.11.9
 
 


バイオにかこつけた補助金ばらまき行政

 「ガソリン代替バイオエタノール 清水町に生産プラント 国内最大、09年稼働へ」(1)と言う話が伝わってきた。

 外国からエタノールを輸入したほうが安いとの指摘もあるが、エネルギーの安全・安心も大切なので、原料は地元で調達して製造するのだそうである。

 なにせ、十勝の規格外小麦を原料としても、1リットル98円40銭。ビートで100円を実現するつもりなら、原料価格を4分の1にしなければならないそうだ。(2)
 直感だが、そんなものでは収まらないと思うが。

 そもそも、工場の場所は都会から離れたところ。地場での消費などほとんど期待できない。そんなところで本格的なプラントをつくって、流通をどうするつもりなのか。
 どう考えたところで、大赤字間違いなし。

 しかも、これはETBTとは相容れない。
 石油連盟が、2010年度のガソリン需要量の20%相当分に対して一定量のバイオエタノールを導入するために、ETBTの共同輸入を始めることになっているのに、全く違う仕組みを始めるというのである。(3)
 自分達を巻き込まないエタノール普及を邪魔したいのだろう。

 ともかく、政治力を発揮して、国のお金が地元に落ちればプラス。事業がどうなろうと全く関係ないのである。
 “経産と農水が主導権争いをしている”(4)という問題ではない。生産性が低い産業にお金をばらまくためのタネがバイオエタノールというだけに過ぎない。
 にもかかわらず、首相がこの動きを支持し、目標まで与えたそうである。

 補助金バラマキを待っていた人達にとっては、素晴らしいリーダーの登場といえよう。
 日本の政治の本流が現れた訳だ。

 --- 参照 ---
(1) http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061031&j=0047&k=200610312772
(2) http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/06baio/20061007/02.htm
(3) http://www.paj.gr.jp/html/paj_info/press/2006/20060419.html
(4) http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20061103ddm008010133000c.html
(参考) リニューアブルエナジーの状況
  http://www.ren21.net/globalstatusreport/download/RE_GSR_2006_Update.pdf


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