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2010.9.21 |
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雑感: 民主党代表選挙結果を眺めて…
まさか世論に棹差して、ここまで不人気な候補を首相にできる訳がなかろう。 もともと、菅首相誕生で民主党支持率が急増したのは、古い自民党型政治家が舞台から消えたから。小沢出馬とは、それを、再び、古い政治に戻す印象を与える動き。なるべくしての落選。 だいたい、選挙で確実に嫌われることがわかっている政治家を首相にかつぎだそうとする議員がいるのだからとんでもない話。そんな首相の下で選挙をしたい議員がいる訳がなかろう。 まあ、質の低いトンデモ選挙だったが、一応、結果を眺めて見ることにした。
党内では相当盛り上がったのかと思っていたら、こんなもの。どちらも選びたくないので棄権が多かったということか。(実はいい加減な名簿という可能性もなきにしもあらずらしい。自民党員が投票したというのだから。それにしても、そんな党員を除名処分にしない政党というのも腐敗の極地。常識もなにもない。) そのおかげなのかはわからないが、小沢支持が世間が2割未満なのに、4割に達したのには驚かされた。世論とはかなり違う考えを持っている人が多いわけだ。 ・・・菅首相には全く期待できないと考える層が多いのか、はたまた小沢信者が多いのか、気になるところ。金権体質との批判は言いがかりと考える人で固まっていないことを祈るしかない。 地方議員の結果だが、候補支持の分かれ方は党員・サポーターと全く同一で、両者は緊密に繋がっていそうだ。 次が国会議員。 この結果には唖然。 選挙を考えると、浮動票が逃げるような代表を選ぶ筈はないから、支持票はかなり少なくなると見ていたら逆である。なんと5割。 フラフラ、モタモタした動きの菅首相ではネジレ国会を乗り切れないということで投票したことになっているが、そんな訳がなかろう。世論に反し、しかも負け戦になることは明らかになっている状態で、そんな投票行動をとるのは尋常ではない。 自民党時代と同じ派閥政治を信奉する人が多いということでは。・・・派閥領袖が選挙でヒト、モノ、カネの面倒を見てくれ、戦術指南までしてくれるかわりに、領袖の采配に従うというシステムができあがっているのでないのか。 簡単に言えば、貸し借りと、仁義の世界ということ。 ともかく、とんでもない人達である。辞任した前首相が、「私は小沢氏に総理にまで導いていただいた。ご恩返しをすべきだ」(3)と臆面もなく発言するのだから。竹下派流政治への先祖がえりである
改造内閣支持率は6割を越えているが、政策が期待されている訳ではなさそうだし、首相のリーダーシップ発揮もありえないと見られているようだ 。そもそも鳩山内閣の一員であるにもかかわらず恣意的になんの発信もしなかった政治屋である。人望がある訳がないのである。 この状態では、どうにもならないのでは。と言って、行き詰って解散・総選挙でもされたら長期の政治空白化だ。迷惑千万この上ない。まったくこまったものである。 そういえば、インターネットの世界では小沢支持の声が凄かったと書いてある記事が多かった。(6)この状態を見れば、そりゃそうだろうと納得感あり。クリーンでオープンな議論は結構だが、とどのつまり周囲の顔色を見ながら動くだけしかないのはかなわん。普天間と同じで時間を浪費し、事態を悪化させるだけ。ズルズルと黄昏の道を歩かされるのは御免こうむるというのは自然な対応だと思う。それなら、一気にドン底路線でガラガラポンの方が余程ましというだけの話では。だが、“変わりたくない”人だらけの社会では、豪腕政治など所詮できる訳もなく、それも幻想でしかないのだが。 そんな感覚は海外でも共有され始めたのかも。・・・ “The world economic recovery is slowing down but there is no prospect of a double-dip recession in the rich world excluding Japan, the OECD Secretary-General Angel Gurria said on Tuesday.”(7) 定見なき上、自党国会議員支持者数がどうやら5割という首相が“采配”を振るうというのだから、誰もが、フラフラ・ダラダラの政治運営が進むと見ている。そうなれば経済不安定化は避けられまい。それこそ、この状況下で政治主導にしたいなら、政治屋閣僚を世論の支持を集めそうな民間の実務人材に代替していく以外に手はなかろう。しかし、弱体政権ではそれも無理か。 今や、世論の期待は、首相の座を早く次世代に渡し、トロイカとか称する政治屋に表舞台から消えて頂くことでは。今回はそのための選挙だったというなら、この代表選の価値は大いにあったと言えるのだが。 --- 参照 --- (1) http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aVEEI40Fkq.A http://www.afpbb.com/article/politics/2753678/6145541 (2) 2010年9月民主党代表選挙の結果に関する公告 [2010/09/14 ] http://www.dpj.or.jp/news/?num=18859 http://www.dpj.or.jp/news/files/100914touin-touhyou.pdf (3) “鳩山氏「恩返しすべき」 グループ内、小沢氏支持強まる” 朝日新聞 [2010年8月28日] http://www.asahi.com/politics/update/0828/TKY201008280185.html (4) William Pesek: “円売り介入は「ソロスたち」への招待状、投機シーズン解禁−ペセック ” ブルームバーグ(邦訳) [9月15日] http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=avfFEV39L.2s http://www.bloomberg.com/news/2010-09-15/soros-is-crazy-to-pass-on-schwarzenegger-bet-commentary-by-william-pesek.html (5) “菅改造内閣支持64% 共同通信世論調査”共同通信 [2010年9月18日] http://www.47news.jp/news/2010/09/post_20100918163504.html “菅氏続投歓迎72% 政治進む28% 朝日新聞世論調査”朝日新聞 [2010年9月15日] http://www.asahi.com/politics/update/0915/TKY201009150427.html “「菅氏再選を評価」81% 頻繁な首相交代嫌う 内閣支持71%に上昇 ” 日本経済新聞 [2010年9月16日] “支持率上昇でも「首相に指導力ある」は2%”読売新聞 [2010年9月18日] http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100918-OYT1T00794.htm “菅内閣:支持回復64% 岡田幹事長「評価」71%” 毎日新聞 [2010年9月18日] http://mainichi.jp/select/today/news/20100919k0000m010063000c.html (6) “民主党代表選、なぜ異なる結果 ネット投票と報道機関の世論調査” 産経新聞 [2010.9.9 21] http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100909/plc1009092108016-n1.htm (7) “OECD rules out double-dip recession in world economy” Reuters [Sep 14, 2010] http://www.reuters.com/article/idUSTRE68D4IO20100914 政治への発言の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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