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2013.9.27
 
 

オランダの新政治潮流を眺めて…

マスコミに、もう少し大きく取り上げて欲しかったのが、9月17日のオランダ新国王の議会演説。もちろん政府作成の文言である。その後、様子を見ていたが、無視で行こうということか。
その演説の内容だが、「20世紀後半の福祉国家は持続不可能となっている」というもの。そして、「福祉国家はゆっくりと、しかし確実に『参加社会』へ変化している。可能な者は自分や周りの人々の生活の責任を担うことが求められている」とも。

まあ、日本のマスコミは、より大きな政府になるように、政府批判を繰り広げる役割を担っているから無理か。
しかし、いつまでもそんなことが続けられる訳がないと思うのだが。

「守旧」命の国家たる日本が、断固経済発展という訳には行かないのは致し方ないが、国家財政が事実上破綻していても、なんの対応もせず、バラ撒き続行策に血道をあげるのだからたいしたもの。
敗戦が最初からわかっていても、終結策無しに開戦へと進んだ国の体質は今もって変わらないということか。

そういう点で、同じく「守旧」命体質と思われるオランダから学ぶこともあるか。隣国の、分裂騒ぎで国家の態をなしていないベルギーと比べるせいもあるが、王国としてまとまっている印象があるし。
とは言え、EU推進者だし、天然ガス輸出国でもあり、立場は相当に違う。だが、小国として、英米との協調路線を敷いている点で、日本と似たところがある。
 ・人口1,666万人
 ・GDP7,7171億ドル(名目)
ともあれ、かかえている問題はウリ。
 ・政府債務GDP比72%
 ・財政収支GDP比−4%
 ・実質経済成長率−1%
 ・インフレ率2.8%
 ・失業率5.3%
 ・経常収支GDP比8%
政府予算案の概略からするとこんな見通し。
 ・政府債務GDP比76%
 ・財政収支GDP比−3.3%
 ・実質経済成長率 2013年−1.5% 2014年+0.5%
 ・失業率 2013年7% 2014年7.5%
あくまでも「案」であり、長期的な実質成長ゼロ路線が続くといったところだろう。当然ながら、暗い施策が並ぶ。
 ・公務員給与凍結
 ・公共機関支出凍結
 ・介護保険料値上
 ・一部付加価値税増税

ご覧のように同じような問題を抱えているが、日本と違って合理的精神が溢れているので、こんな政策が始まったと見ることもできよう。尊厳死を早くから容認したし、移民労働力の積極的活用も図ってきたからだ。
おそらく、移民政策も変わるだろう。文化的に異なる両者の融合は無理と判断するのではなかろうか。

(参考)
世界的に存在感ある企業を沢山抱えている。歴史の重さということでもあるが、国内市場が余りに小さいから、グローバル化に対する姿勢が全く違うということでもある。有名な企業名でいえば、こんなところか。
 英蘭企業だが、メジャーとしてRoyal Dutch Shell
 電機系ではPhilips
 半導体ではNXP
 半導体製造装置のASML
 日本では余り関心を持たれていないがトラックのDAF
 化学系ではDSMやAkzo
 食品と家庭用品の巨大企業のUnilever
 スイングトップボトルビールのGrolsch
 世界中でみかけるHeineken
 リキュールのBolsやDe Kuyper
 ガム・キャンディのPerfetti Van Melle
 金融ではING
 政府が救済したABN AMRO
 航空輸送も一応加えるとKLM
(記事)
オランダ国王「福祉国家は持続不可能」 財政難で 2013/9/18 9:39 日経
King’s speech to parliament heralds end of Dutch welfare stateBy Matt Steinglass in The Hague September 17, 2013 5:15 pm FT

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