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2013.11.13
 
 

緊急支援体制はなんとかならんか…

フィリピン「緊急」救援の動きは、鈍すぎないか。

ビジネスの場面ではおよそ考えられないような会話が平然となされているとの印象を受けたから。・・・
首相は10日、フィリピン大統領に対し、政府として必要な支援を「実施する用意がある」と伝えたとの由。

要するに、メッセージを送っただけ。その程度の交流で済ませたい訳か。

とんでもない強烈な台風なのは、当初からわかっていた話。その凄さは、素人でも、予測天気図で一目瞭然だったのだから。しかも、島嶼の国であり、甚大な被害を与えかねないのも、わかりきった話。
にもかかわらず、事前に、フィリピン政府となんの協議もしていなかったとしか思えない首相のお言葉。台風被害を知り尽くす国だというのに。

第二次安倍政権は、前回と違ってまともなサポートスタッフを抱えているかと思いきや、誰もこういう話にはさっぱり関心が薄いということなのかも。
と言うか、相変わらずの緊急事態対応の仕組みが続いていると見ることもできそう。
現場はさぞかしつらかろう。

ついつい、この間の大震災を思い起こさせられる。
米軍は自衛隊松島基地壊滅を知り、即時空母を派遣し、大々的な救助活動を始めてくれた。
現場が自律的に判断し、司令官に救助のGO指令を求める体制ができあがっていたのは間違いないところ。それが訓練された組織というもの。そして、これに応える首脳体制が整備されているというのが近代国家の基本中の基本だと思う。

当然ながら、自衛隊や様々な医療チームは、自律的に判断し、フィリピンへの派遣要請に応え、周到な準備を済ませていたと思われる。
日本流とは、現場は、そんなことを表立って言わないだけ。
指揮官の「GO」待ち状態だったのでは。
なにせ、日本の現場の自律性と強靭性は、世界に誇れるレベルの高さがあるからだ。それは、大震災でも遺憾なく発揮されたのはご存知の通り。それが発揮できない、政府首脳の直接コントロール下にある箇所で、常識ハズレの対応でエライ目に合わされた訳である。

今回も、同じようなことにならねばよいが。
なにせ、冒頭で紹介したように、「実施する用意がある」と言葉をかけただけらしい。この手の対応から始まると、どんな手順が踏まれるか想像がつこうというもの。・・・
先ずは、フィリピン政府の了解を求め、その上で調査団を編成。フィリピンの専門家の随員を要請し、被災地の対応が整ってからの派遣になりかねない。その報告結果を聞いて、日本国内の専門家を集め、どのような救援活動ができるか協議することになる。
狭い視野で現場が勝手に動くのは危険を伴うが、全体像を把握できる人が存在しないにもかかわらず、現場の柔軟な動きを統制しようとする組織ほど厄介千万なものはない。折角良い方向に進んでいても、逆向きに転換させるのがオチだからだ。

首相のお言葉の後の動きがたいしたニュースにならないところを見ると、その線で動いているのではとの危惧の念を抱かざるを得まい。
米軍は遠の昔に空母が緊急発進済みだと思うが。

(記事) 首相「支援実施の用意」 台風被害のフィリピンに 2013/11/10 21:04 日経
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