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2014.6.29

圏央道には失望させられた…

経済成長を実現するためのインフラ作りは政府の力なくしてはできないが、日本はこれが最悪と言われ続けてきた。

民主政治の国は、ヒト、モノ、カネ、情報の回転率を上げることで、経済成長を図ろうとするものであるが、日本の場合は逆だから、不思議な現象とされてきた。なにせ、なにもかもが、日本では、高コスト、不便、遅れた仕組みの3拍子が揃ってしまうのだから。

余り公言はされてはいないようだが、この原因は、与野党の談合政治と見られてきた。両者の政治基盤にメリットが得られるように官僚が取り計らってきた結果という訳である。

それも次第に綻びが露わになり、部分的には相当変わって来た感じがする。従って、そろそろ大きく転換する頃と見ていたのだが、どうもそれは無理らしい。

誰もが待ち望んでいた、東名・中央・関越を結ぶ環状道路が開通するとの報道を見ての話。

「外環」などいつになったら完成するのかわかったものではないから、「圏央道」開通で、ホッとした人は少なくなかろう。しかし、よく読むと、それほどの効果が無いことがわかる。

相いも変わらずの料金大幅増路線だからだ。
いかに安く、便利で、最新の機能も付加していくかなど全く眼中にないのである。
昔と全く変わっていない。

ついにできた「圏央道」だというのに、地方における税金バラ撒き施策と全く同じ扱い。これでは、お話にならない。
日本を支えるのは、地域的には、今や東京しかないからだ。しかも、そこには、民間資金も、民間の活力も充実しており、その動きを促進させる施策を打てば必ず反応が返ってくる世界。
従って「圏央道」を大々的に利用させれば、首都圏全体の経済を飛躍的に伸ばすことは容易。地方のバラ撒きの理屈のための夢物語とは本質的に違うのである。
東京発展の癌となってきた、交通渋滞を解消させるだけでも、膨大な経済効果が期待できる代物。
従って、経済成長論者ならこの道路を、いかに安価に、便利で、機能も付加して提供するか考えるのが当たり前。

残念ながら、現政権は、そのような姿勢を示す気配すらない。
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