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2014.7.29

朝鮮動乱勃発リスクは高い…

ほうれ、やっぱり戦争勃発はなかったでしょう。

2013年3月30日、北朝鮮は、突然にして、休戦協定破棄を表明。状況からみて、軍部若手層が権力を握った可能性が高く、小生は、戦争突入もあり得ると見た。しかし、そんなことはありえないと主張された方のお言葉である。

そうかなあ。

そうあって欲しいが、そうなる根拠は余りに薄弱としか思えないのである。

そもそも、3代目の首領様の映像を見れば、どうしてそのように言えるのかはなはだ疑問。・・・
誰がみても、その姿は父親似ではなく、初代の瓜二つ。敢えてそう心がけているとしか思えまい。
そして、海外からは、どのような人達かさっぱりわからぬ軍人達が首領様を取り囲む様子も初代そっくり。
そうなれば、ありそうだと思っていたら、"やっぱり"である。金日成独裁体制には、コミンテルンや中国とツーカーな古手の徹底粛清が不可欠だったからだ。しかし、王朝内の粛清とまでは、思いもよらず。二代目のようなカリスマ性で動いたとは思えないから、軍部独裁体制ができあがったということだろう。
これで、ますます、初代同様の先軍政治に勤しむことになろう。
その場合、なによりも肝心なことは、初代が「神」的な地位を獲得できたのは、朝鮮戦争のお蔭という点。ソ連や中国に無言で、突然の奇襲攻撃で南進。ソウルは数日で陥落し、南は総崩れとなった。結局、米軍(国連軍)と中国人民解放軍が加わり休戦協定締結になった訳だ。コレ、北朝鮮では「大勝利」と位置付けられている「民族解放戦争」。そして、忘れてならないのは、人民軍のレゾンデートルは今でも南の解放という点。三代目の使命は、当然ながら、初代の「民族解放」の栄光を再度実現すること以外になかろう。
そのための外交であり、経済というのが、国是。

しかし、専門家はそれでも、開戦リスクは低いと見るのである。
二代目がブラフで動いてきたのを真似る以外に手はないと判断しているのだろう。その根拠は、一点に絞られるのではないか。・・・開戦すれば、金王朝支配が一気に崩れる。従って、それを始める可能性は低かろうというもの。
つまり、人民軍の力を冷静に評価すれば、敗戦間違いなしとなろうから、そんな馬鹿げたことはまずありえまいとの論理。

うーむ。はたしてそうかな。

奇襲攻撃を敢行すれば、韓国軍総崩れの可能性の方が高かろう。ロケット砲とミサイルの集中攻撃から始まれば、基地が壊滅的被害を受けるのは間違いないからだ。飛行場が使用不可となれば制空権どころの話ではなかろう。そうなれば、すぐに勝負がつくことなど無いと思うが。
しかも、兵坦能力を欠いていても、緒戦で南側が手痛い被害を受ければ、その機を生かして、すぐに百万人の人民軍が大挙して浸透してくる。貧弱な装備であろうが、南の反米勢力が手助けする可能性もあり、ゲリラ戦を始める訳だから極めて手ごわいと言わざるを得まい。

つまり、二代目は、まだ南進の準備が足りずに、なにもできなかったが、いよいよ力がついてきたから、三代目が民族の悲願たる統一を実現しようとの気分が盛り上がってきておかしくない。

軍部若手勢力に担がれているだけの若き首領様は、いつか開戦の旗を振らざるをえなくなるのではないか。それしか道なしとなれば。
オバマ政権は、誰でも結果が見えていた六ヵ国協議路線にようやく見切りをつけたようで、金政権無視路線。北朝鮮問題の中国丸投げを続行するだけという無策ぶり。今や、習政権が、4度目の核実験を切欠に、北朝鮮の政権交代を武力で企てても驚きではない状況ではなかろうか。そんな雰囲気を感じ取っている金政権が米中が期待する坐して滅亡路線を選ぶ訳にはいくまい。開戦は杞憂とは言い難いのである。(「北朝鮮、中国が決定的瞬間に自分たちを捨てると考えている」(2013年05月20日16時16分 中央日報/中央日報日本語版] 中国共産党中央党校機関紙の元副編集長インタビュー)

以下は新聞記事からざっと引き抜いた情報である。(いい加減なので、間違いや抜けもあろう。)
これを見てどう考えるかである。
ブラフが続いているだけと見てよいものだろうか。たとえそうだとしても、それに応えないで無視していれば、暴発以外になくなるのでは。それで大いに結構という人もいそうなのが怖い。

<移動ランチャー>
  2012年 4月15日 軍事パレードで移動ミサイル発射装置公開
<ロケット砲>自走可能で連発型[放射砲]
  2012年に威力を見せ付けた。
  2014年には射程距離が格段に伸びた。
   ミサイル化(GPS誘導)している可能性も。

<短・中距離ミサイル/ロケット発射>
2009年 7月 4日 短距離
2009年10月 日 短距離
---1年7カ月 空白---
2011年 6月 日 短距離
2011年12月19日 短距離
 :
2012年 1月13日 短距離
 :
2013年 3月15日 短距離
2013年 5月18日 短距離
2013年 5月19日 短距離
2013年 5月20日 短距離
 :
2014年 2月21日 ロケット砲
2014年 2月27日 ロケット砲
2014年 3月 3日 スカッド
2014年 3月 4日 ロケット砲
2014年 3月16日 ロケット砲
2014年 3月26日 ノドン
2014年 6月26日 スカッド
2014年 6月29日 スカッド
2014年 7月 2日 ロケット砲
2014年 7月 9日 スカッド
2014年 7月13日 スカッド
2014年 7月14日 ロケット砲
2014年 7月26日 スカッド

<長距離ミサイル>
1993年 5月 日 ノドン
1998年 8月31日 テポドン1号
2006年 7月 5日 テポドン2号
2009年 4月 5日 テポドン2号改良
2012年 3月13日 多段式ロケット
2012年 4月13日 テポドン2号改良
2012年12月12日 多段式ロケット

<核実験>
2006年10月 9日
2009年 5月25日
2013年 2月12日


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