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2014.9.11

チベット亡命政権は残れるか…

The Japan Timesが掲載した、AFP-JIJIの記事は本当なのだろうか。中国からの圧力で、南アフリカからビザ発行を拒否されたとの報道はあるが、この話は他の報道機関のサイトでは見かけない。

ドイツ訪問中の英語インタビューが「DIE WELT」に掲載されたそうである。次のような内容で。・・・
 he should be the last Tibetan spiritual leader,
 ending a centuries-old religious tradition ---


ここだけ読めば、なかば冗談のような気がしないでもない。指導者としてゆるぎない地位を占めていると自負していそうだから。
 The 14th Dalai Lama now is very popular.
 Let us then finish with a popular Dalai Lama,


しかし、いまや79歳であり、後継問題に本格的に取り組むべき時。冗談を言う余裕は無かろう。だた、なかなかにチャーミングな方であることがよくわかる。
 The doctors say
 I could become 100 years old.
 But in my dreams
 I will die at the age of 113 years.


中国共産党にとってはまさに目の上のたん瘤である。その日を待っている訳だ。
そんな状態だというのに、この先の流れを楽観視しているのには恐れ入る。世界のトレンドは民主化であり、中国もそのなかに入ると見ているのだ。従って、チベットの土を踏むことができると確信しているという。

どうかな〜。
漢人移住による少数民族化が進んでいる訳だし、漢語化が完成すれば、政教一致型の勢力の居場所はなくなると見るが。
その動きは共産主義とか、独裁政治から来ている訳ではなく、中華思想そのもの。

もっとも、冒頭の最後のダライラマ発言と合わせて考えれば、これは、後継者選定問題に中国をかかわらせないという意思表示という面もありそう。
 If a weak Dalai Lama comes along,
 then
 it will just disgrace the Dalai Lama.

・・・まさしくその通り。
しかし、それ以外の道があり得るのだろうか。祖国は観光宗教施設化が一気に進み、漢人移民が激増中なのだから、亡命「宗教」政権の指導者がもとの莢に収まるとは考えにくかろう。

チベット仏教組織は自信を持ってよいと鼓舞する姿勢はわかるが。
 Tibetan Buddhism is not dependent on one individual.
 We have a very good organizational structure
 with highly trained monks and scholars.


言うまでもなく、ダライラマは2011年のノーベル平和賞受賞者であり、その受賞者サミット出席を南アフリカ政府が止めさせた訳である。
だからこそと言ってよいのか、ドイツでは大いに歓迎された模様。

(ジャパンタイムスの記事)
"Dalai Lama says no need for successor: German paper" The Japan Times[AFP-JIJI] Sep 8, 2014
(モトネタの海外通信社の記事)
"Le dalaï dama estime qu'il n'a pas besoin de successeur" AFP 07 SEP 2014
(原初の記事)
"Der Dalai Lama will keinen Nachfolger mehr haben" DIE WELT 07.09.14


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