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2014.11.17

軍事大国化を急ぐ中国の危険性…

読売新聞が北京発で、新華社通信によれば、15日午後、中国四川省成都市郊外で航空機が墜落したと報道。さらに、中国版ツイッター・微博を検証すると、中国の国産戦闘機「J10[殲撃十型]」ではないかと。
ベタ記事かと思いきや、Google日本版Newsのタイトルにあがってきた。結果、なにを焦点にしているのかよくわからぬ報道が並ぶことになっているが。

新浪軍事の記事では、ロシアから輸入したAL-31FNエンジン(Su-27用の改良版)搭載のJ-10Bで、試験飛行中だったとの指摘。

これには、正直驚いた。
真正面からエンジン開発を急いでいることを意味していそうだから。
この機種、顧客はパキスタンのみで、潜在的にもせいぜいのところイラン、シリア、北朝鮮だけでは。にもかかわらず、なんとしても戦闘機用エンジンを自国開発品としたいという訳だ。
言うまでもないが、軍事用はとてつもない開発費用と、大勢の有能な開発者が不可欠。そこまでするつもりなのだ。・・・

  建設航空工業強國
  是 ケ小平同志的夢想,
  也是 中華民族的夢想。

  大力推進軍民融合式發展,
  統籌好“富國”與“強軍”的雙重使命

  努力實踐
  “航空報國,強軍富民”的集團宗旨

APEC開催期間中に、珠海航空ショーで最新の国産ステルス戦闘機「殲31」(WSJは社説で、機体はロッキード・マーティンF‐35の違法コピーと見なした。)を披露したが、まさに夢の実現第一歩ということ。
殲31は国産エンジンを搭載し、海外依存という苦しい局面から脱却し、リスクを解消したとされる。どの程度の話なのか、その実態は不明だが。

しかし、方針だけは明確である。

  最先進的武器是買不來的
  核心技術是買不來的
  創新能力也是買不來的。
  因此
  中航工業一定要立足於國内
  立足於自主創新
  才能避免受制於人
  永遠落後於人。

13億人の国であり、中華意識を高揚させれば、それは可能かも知れぬ。それに一役買って出ているのが、2大国で世界の安定化を図る時代であることを強調してくれる、オバマ大統領ということになろう。米国内では不人気だが、中国国内では絶大な人気の筈。中国の国際舞台への登場を応援すると言うのだから。
・・・we don't just welcome it, we support it.
それこそ同床異夢だが、この大統領はそれがわからない。

問題は、中華思想以外になんのビジョンも持ち合わせない国が、グローバル軍事産業で力を発揮しようという姿勢。
資本主義国の軍産複合体制は戦争を引き起こす元凶でもあるとはいえ、自由主義護持というイデオロギー的な枠内で動くという暗黙の了解があった。
しかし、中国共産党には、今や、剥き出しの覇権主義以外なにもない。これは厄介なこと。
イデオロギー的対立は、思想上の妥協点は全く無いが、パワーバランスをとりながら両者併存となりがち。そうしなければ、決定的な衝突に引き込まれるからだ。
しかし、思想性皆無となれば話が違う。力比べの世界へと進む以外にありえまい。抑止力を持つ国がいなければ、危険この上なし。

(読売新聞の記事)
"中国の国産戦闘機「J10」、試験飛行で墜落か" 2014年11月15日 19時44分
(FlyTeamのリンク記事:photo)
「殲10B墜毀原因疑似曝光:低空遇発動机停車老毛病」 新浪軍事 2014年11月15日 16:20 http://mil.news.sina.com.cn/2014-11-15/1620810946.html
「四川飛机墜毀售楼処 飛行員跳傘逃生地面至少7人受傷」 京華時報 2014年11月16日 http://epaper.jinghua.cn/html/2014-11/16/content_144332.htm
(人民網)
ケ小平決策研制太行發動機和殲10:空軍是第一【7】2014年08月20日11:01 來源:中國航空報
(November 12, 2014 WH-Rlease)
Remarks by President Obama and President Xi Jinping in Joint Press Conference Great Hall of the People Beijing, China


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