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2015.5.9

アベノミクスの本質が露呈

自民党は、地方選圧勝の見返りとして、産業の新陳代謝抑制政策を本格的に開始し始めるつもりのようだ。

もっとも、これこそがアベノミクスの本質である。

日銀にカネをジャブジャブ流させることで、グローバル産業と金融業界の支持をとりつけ、国債間接ファイナンス方式で、地方へのバラマキを続行するだけの単純なモノ。始めれば戻りようがないから、国家破綻一直線路線でもある。そして、バラマキ統治を進める以上、産業毎の規制による新陳代謝抑制は至上命題となる。それだけの話。

ご褒美の第一弾は、酒の安売り規制らしい。
姑息なのは、議員立法としている点。海外にはアベノミクスとは違うと喧伝するのかも。

もともと、酒屋商売とは、認可というお墨付きを貰いさえすれば食べていける業態。国家社会主義をこよなく愛する勢力としては、その伝統をなんとしても復活させたいのだろう。

それに、約50万人の票が期待できるらしいから、参議院議員は必死の筈。すでに、「街の酒屋さんを守る国会議員の会」には約260人の議員が参加しているそうだ。

日経の報道トーンは、よくないですナと言うだけのこと。それ以上でも以下でもない。
安売り規制では町の酒販店を救えない [2015/4/17付]酒税法改正で安売り規制 その合理性を問う公開日時(1/3ページ) [2015/4/23 6:30]
たばこ・タクシー・酒の安売り…自民、規制強化へ動く 参院選へ業界対策 [2015/4/25 0:39]
自民、規制強化へ動く 酒の安売り競争抑制へ法案了承 たばこ・タクシーに加え、参院選へ業界対策 [2015/4/25付]


ビールやチューハイを買う人が酒屋から離れて廃業が続くとされるが、そういう抹消的な話ではなかろう。
そもそも車で買い物に行く地域で、どこにでも売っている全く同じ商品を、わざわざ時間と手間をかけ、なんの変哲もない酒屋に買いに行くことが未だに続いていること自体がどうかしている。インターネットの時代、配達サービスに至っては、小規模酒店がまともに競争できる訳もないのだし。

流行らない観光地の食堂商売のようなもの。
超安物の乾麺を茹でて丼に入れ、どこにでもある醤油と鰹節の粉だけを付ける商売が通用した世界である。しかも、都会の瀟洒な専門麺店以上の価格とくる。
まあ、そりゃそうだろう。客数を考えれば、都会の4〜5倍の価格にしても黒字になりそうにない事業なのだから。産業振興と称するバラマキに付随する「ご指導」で、尋常ではない商売は消えたとはいえ、状況が変わった訳ではない。

コレ、極端な話と勘違いしないでほしい。

先日、シングルモルトの350ml小瓶を買いに、地方の酒店に出向いたら、間違いかと思うようなベラボーな価格。キャンペーンで\1,400+オマケの時を知っているからかも知れぬが。
しかも、商品の選択肢はないとくる。酒店でありながら、都会のコンビニの品揃えとほとんど変わらぬから驚き。
700mlの海外ブランドの価格も似た状況。その価格の違いも特筆もの。都内だと価格は多少バラつくが、最安で多分\930。地方のスーパーだと\1,200円以上か。それが、その町の酒店ではどうなるかは言わずもがな。
それでも、シングルモルトの価格設定よりはまし。

要するに、地方の酒屋でモノを買いたければ入場料を払えということ。画期的な事業コンセプトと言えよう。

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