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2015.5.21

潜水艦技術情報開示が気になる

ウ〜ム。
はなはだ気になる報道。解説を見かけないからである。

オーストラリアに対し、「潜水艦の」技術情報を開示することを決定したと言うのである。いかにも右往左往した結果の後出し条件。

「(豪州とは)安全保障面で共通の価値と利益を共有している」とのことだが、それは武器輸出先につける理由でしかない。まともに説明ができないのかも。
素人からしても、オーストラリアという国の体質を考えると、はなはだ疑問な方針と言わざるを得ない訳だし。
本格的な武器輸出だから、どうしても受注したいとの気分はわからぬでもないが、禍根を残す決定と言えなくもない。

欧州は東アジアの安全保障には全く興味が無いから、ナンデモOK商売になる。それと競争するには、技術開示無しでは無理ということで踏みきったのだろうが、問題は潜水艦である点。

オーストラリアは資源輸出と観光ビジネスで食べている国。この領域を冒すような動きがない限り、できる限り中国と蜜月関係を続けたい国。もともと、安全保障はできる限り欧米依存で安くあげるという基本方針で来た。そのために、積極的に、英米のグローバルな動きに常に先んじて動くことで協力してきた訳である。
ところが、英米の徹底した兵力削減の波に洗われ、ご要求に合わせて、致し方なく軍備増強を始めることになった。なにせ、都市国家のシンガポールでさえ軍備増強せざるを得ない状況なのだから、知らん顔はできない。

そもそも、欧州など、中国への武器輸出をしたくてウズウズしている状態。NATO存続のため、踏み切れないだけ。
オーストラリアにしても、本質的には同じ体質と見てよいのでは。少なくとも、違うという理屈が見つからないからだ。

従って、オーストラリアへの技術開示とは、遠からず、中国へもその技術が移転されると見ておくべきだろう。と言うか、ゆくゆくはそんな商売をしたいと考えている可能性も否定しがたい。
なにがなんでもコピーするとの強い意志をもった国に、細かな技術仕様が流れないように防御するのは無理。
潜水艦の場合は、それでも構わないという訳にはいくまい。スペックがわかれば、真っ裸の航行になってしまい、一貫の終わりだからだ。

(ロイターの記事) 日本政府、豪に潜水艦技術の情報開示を決定 選定手続きに参加 2015年05月18日 19:39 JST

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