表紙 目次 | 2015.7.26 マリファナとは政治問題"Our analysis shows that public health campaigns are working -- fewer teens are smoking cigarettes,""However, we were surprised to find the very clear message that kids are choosing marijuana over cigarettes." 米国のティーンエージャーのマリファナ使用者率は22%だという。 90年代にはかなり下がって、白人が20%でアフリカ系が14%だったのに、後者が急速に上昇しているのである。 喫煙率は、21%と10%。70年代は37%と33%。 確かに驚くような数字。 ちなみに飲酒率は、白人が44%でアフリカ系が29%。70年代はそれぞれ74%と49%だったから順調に下がった訳である。背景解説がないからよくわからないが、アフリカ系はヘルスコンシャスなのだろうか。あるいは禁忌感が強いのかも、と推定してみたり。 言うまでもないが、マリファナ使用はコカインやヘロインへの入口になりかねないということで、危険視されてきた。 もっとも、小生が受けた日本の大学の講義では、マリファナはコカインやヘロインとは違って依存症がなく、死亡例も聞いたことがないと。冗談半分に、勤労意欲が失せる可能性は高いかもとか。従って、ハードドラッグ入門的役割を果たしているとはとうてい思えなかった。 とは言え、マリファナ愛好の怠惰な生活者激増となれば大いにこまる訳だが、飲酒状況から見て、その可能性は低いと見るのが自然。宗教的倫理感から禁止されているに過ぎないと教わった。 ただ、この説に確証がある訳でないから、そこは要注意とのコメント付きで。下手にそこらを検証しようとすると犯罪者と見なされるので誰も手を出せないだけの話。つまり、健常人なら"多分"安全というだけで、例えば、精神的に変調をきたしているとどのような影響がでるかは、情報が欠落していることになる。(と言うことは、逆効果が生まれたりしかねないと予想されているのだろう。) 反科学の流れが起きないなら、そのうち、状況は変わる筈と語っていたが、はたして、そんな流れは生まれているのだろうか。 米国では、マリファナ使用が合法化されている州もある。もちろん、眼目は医療用。鎮痛に顕著な効果があると予想されていた訳だから当然だろう。呼吸器系の不調で辛い生活を送っている人など、使い方ひとつでQOL大幅改善は間違いないのだから当然の流れ。 ただ、その波に乗って、嗜好品としての使用も緩和されつつあるのが実情。 おそらく、この流れは止まらない。そう思うのは、日本語版ナショナルジオグラフィック紙2015年6月号の表紙を見たから。そこには、大きな字で「マリファナ 秘められた力」と。 ただ、マリファナも「喫煙」型であれば、理屈から言えば、タバコの害と全く同じ。煙草を減らして、マリファナというのはおそらく意味なし。 (ニコチンの悪影響を除外すれば、タバコのどの有害物質摂取"量"でも個別の発病原因を特定できていない。「煙微粒子」吸引をすべての病因と推定するしかなかろう。) マリファナ解禁を主張する政治家(アナン元国連事務総長、アルブール元国連人権高等弁務官、シュルツ元国務長官、ボルカー元FRB議長、等@Global Commission On Drug Policy)は少なくないが、その気持ちはわかる。世界を見れば、ヘロイン・コカインの巨大ビジネスが動いており、そのカネで政治が動かされていることを知り尽くしているからだ。言い換えれば、それを牛耳る闇の勢力の影響力を削ぐには、マリファナ合法化が最良の道と考えるのは無理もない。 特に、中南米のマフィア勢力を叩くにはこれしか無いと見ているに違いなかろう。この地域で、普通選挙で当選したトップは皆同じ気持ちだと思う。急げ、合法化である。いずれ、メキシコや米国もこの波に対応せざるを得まい。 一方、西欧はそこに重点はなさそう。合理主義的に考えれば、いかに、嗜好品的ドラッグの悪影響から社会を護るかのオプションを考えてそこから選ぶだけ。おそらく、麻薬中毒患者対策に頭を悩まされてきたから、その観点で効果ある政策を打ち出すべしと主張することになろう。つまり、マリファナは麻薬使用ゲートと言うより、麻薬からマリファナ利用に移行させるべしということ。管理された、マリファナ合法化路線が望ましいとなろう。 米国内の場合は、これとは様相が異なる。オバマ大統領はどう見ても解禁派だが、それは上記のような西欧の合理主義からくるのではない。公民権法の精神。マリファナ保持罪状での逮捕が、事実上、人種差別主義的活動に他ならないと言われているからだ。(利用者比率が同程度にもかかわらず、逮捕率が驚くほど異なるからである。逮捕歴が残ると、貧困から抜け出せなくなる。それが、社会の不安定化を助長しているのは間違いない。)熟し柿が落ちるのを待っているといったところだろう。 同性婚、マリファナ、安楽死、の合法化の流れは固まってしまったと言ってよいだろう。 こんなことを書くのは、はたして日本はどうすべきか気になるからだ。 特定の業界や地域には、覚醒剤使用が蔓延しているのは間違いなさそうだが、実際にどの程度かはさっぱりわからず。日本の社会は、都合悪いデータは出さない習慣だから、今後もはっきりさせないままで、政策が決まっていくのだろう。こまったもの。 それと、生化学的な研究が今一歩進んでいないのも残念なところ。 もっとも小生にとってみれば、体験したことは無いし、今後もその気は全くないから、どうでもよい話。米国では、富裕者層の子供には格別魅力的に映るらしいから、その真似がことのほかお好きな方々は提灯持ちとして活躍するのだろうが、小生的には全く興味なし。 その作用は、アルコール、カフェイン、ニコチンとはかなり違うとの印象が強いからでもある。・・・ アルコール摂取は注意力散漫化を招くが、逆に、情緒的感覚が研ぎ澄まされる感じがする。人によっては違う方向に行くので、誰にでもお勧めとは言い難いが、美味しければ、飲酒は楽しいものである。 一方、カフェインは、なんとなく精神が集中してきたような気分になってくる。と言っても、飲む環境で効果は全く異なる訳だが。実際のところ、頭脳労働の生産性を上げてはいないようだが、知的な世界で遊んでいる雰囲気には浸れる。そこが嬉しい訳である。 これに対して、マリファナとは、頭に残っている様々な記憶を薄めることで、嫌なことを忘れてしまう効果という風に映る。 そうだとすれば、これは余りにつまらぬではないか。 (eurekalert:The Global Source for Science News) Teens' overall substance use declining, but marijuana use rising 20-Jul-2015 M http://www.eurekalert.org/multimedia/pub/95855.php?from=301797 A http://www.eurekalert.org/multimedia/pub/95853.php?from=301797 C http://www.eurekalert.org/multimedia/pub/95854.php?from=301797 政治への発言の目次へ>>> 表紙へ>>> (C) 2015 RandDManagement.com | |