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2015.9.17

山形市長選の何が大注目なの?

山形市で、1966年から約50年間続いた非自民系市政が終わった。
国政の与党 v.s. 野党がそのまま持ち込まれた結果だとの見方が多い。投票率も5割を越えた訳で。

 2003年[現職初当選]  47.29%
 2007年[現職 再選]  31.36%
 2011年[現職 3選]  47.60%
 2015年[今回 新人]  56.94%

もっとも、落選側はその程度の投票率まで上昇し、有利になると踏んいたようで、目論見が外れた訳である。その落選候補の選挙戦での訴求はこんなところ。・・・

【職業】行政書士 元防衛省職員
【スローガン】「山形生まれ、山形育ち」+「オール山形」
【主張】安全保障関連法案に反対
【姿勢】市長退職金返上→子育て施策財源
【政策】中心市街地に文化歴史ゾーンを設け、にぎわいをつくる。
    行政が一方的な決めつけで政策を進めることは良くない。
    市民との対話、現場の声を吸い上げることから始める。

【選対本部幹部】でん六社+吉村和文ケーブルテレビ山形社長
【地元首長支援】知事、3選現職市長、
【地元議員支援】市政与党市議団(民主、社民両党系)
【推薦政党】民主(衆院議員、元農相、前参院議員)、共産、社民、生活
【自主投票政党の支持者】維新の党幹事長
【支援ブループ】連合山形
【応援】小林節慶應義塾大学名誉教授
【投票率見込み】訴えが響けば、投票率は50%を超えてくるはずだ。
         投票率が上がれば、うちが有利だ。


小生にとっては、およそ無縁な地域のお話でしかないが、"2015年下半期大注目の選挙"なのだという。マスコミが話題にしたかったのだとおもわれる。

と言うのは、そう言われても、もともと政策的に目立っている大都市とはとても言い難いからだ。コンクリだらけのハコモノ行政がお得意な地方都市の典型では。非自民系市政と言っても、バラマキ注力度は他地域に引けをとらない筈。そんな都市の首長選挙のなにに注目するのか理解しにくいが、ポイントはこういうことらしい。

【国政政党対決】
自民・公明・次世代・改革 v,s, 民主・共産・社民・生活の対立。
まあ、都会はどこだってそうなりがちでは。ニュースになったのは、維新の党分裂の引き金になったからに過ぎまい。
【イケメン新人対決】
経産省エリート v,s, 防衛省エリートだそうである。
旧来の地場政治屋や総務省官僚とは違い、よく似たプロフィールだそうである。
【保守劣勢地域】
市議会構成で、自公は過半数を取っていない。
【安保法制の争点化】
当該自治体には直接関係ないと思われる政策での選挙化が図られているとのこと。

結局のところは、いかにも地方選挙らしき結果が出たということでは。

中央政治の争点を持ち込んでしまえば、「山形生まれ、山形育ち」+「オール山形」のキャンペーンは全く意味を持たなくなるからである。
県知事や現職市長の応援もあるし、地元の言葉で語らない「地元色薄き」対立候補を突き崩すのはそう難しい訳ではなかったと思うが、その効果をわざわざ消し去る動きをしてしまった訳で。知事と現市長の応援も得た上に、もともと保守劣勢地域だから、世論的に安保法制反対が多数だからそこに訴求すれば楽勝と油断したのであろう。と言うか、土着化の覚悟を決め、地域政策に全精力を傾けると主張する候補に親近感が生まれてしまうとは考えなかったようだ。

もともと、安保法制なにがなんでも廃案論とは、自衛隊違憲論となんら変わらない。戦争を遠い世界のままにしておくには、軍隊化の方向はすべて阻止するのが一番という姿勢。それが、どんな結果をもたらすかなど全く考えない訳である。

バラ撒き地方政治で安穏とした生活を続けていこうとの姿勢と瓜二つ。こちらも、続けていればどうなるかなど、考えたくないのである。

しかし、このまま同じことを繰り返していて大丈夫かとの感覚も多少は生まれるもの。そんな雰囲気なら、地元の経済話を熱心に語る候補の方に票が流れるのは当たり前では。

(山形新聞記事2015年)
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(選挙ドットコム記事)
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