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2005.4.13 |
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70才は現役…人生100年時代が目前に迫ってきた感じがする。→ 「深刻化する死亡率低下問題 」 (2005年3月8日) そんな折、山の本の棚で、三浦敬三さんの新刊本(1)を見かけた。 三浦敬三さんといえば、超高齢者を特集したテレビ番組(2)に登場した方である。ひとり暮らしの自宅で、右鎖骨骨折にもめげず、ストッキングを使って黙々と筋肉を鍛えていた映像が、強烈な印象として残っている。 素人体験を綴った健康本の類には興味が湧かないが、これは山の本だ。読まずにはいられない。 とはいえ、100才を越えている著者だから、よくある、山あり、谷あり、の人生読本型の山の本だろうと予測したが外れた。 山あり、雪あり、の生活を、こともなげに書き下ろした本だった。
よく考えれば、悲しみや、苦しみは誰にでも巡ってくる。その重荷から解放されるのに、20年かかることもある。 長生きのコツは、こうした苦しみから逃れる術ではなく、楽しみの方にある。 この本で、このことを悟らされた。 三浦敬三さんにとっては、スキーに全精力を傾けることがなによりの楽しみだ。ただ、楽しみといっても、趣味のスポーツの次元をはるかに越えている。 おそらく、一回一回のスキーを勝負と考えているのだ。その勝負に向かって、できそうなことは全てやってみる。 傍から見れば、なにも、そこまで頑張らなくても、という気になる。しかし、そうはいかない。徹底的に突詰めなければ、ちっとも楽しくないからだ。 この姿勢こそ、長寿の秘訣だろう。 George Malloryの“そこに山があるから”を思わず思い出してしまう。やりたいことに、余計な理屈は不要だ。 しかし、こうした発想の人は少数派である。 “はてさて、引退後をどう過ごすべきか”と考えあぐねている人ばかりだ。 これは、どこかおかしい。仕事が好きなら、引退せず、それこそ一心不乱になって働き口を捜せばよい。年齢など関係ない。 三浦敬三さんのように、本気なら、就職先を探すこと自体が、楽しみになる筈だ。 定年は55才だ、60才だ、いや65才というのは、サラリーマンの議論だが、三浦ファミリーでは、冒険家でさえ、70才はまだバリバリの現役である。サラリーマンなら、80才でも現役で働けるのではあるまいか。 今は、70才現役は例外として扱われるが、早晩、これが常識化するだろう。 そうなると、好きなことに懸命に頑張る高齢者が溢れてくる。これは、面白い社会かもしれない。 --- 参照 --- (1) 三浦敬三著「101歳の少年」実業之日本社 2005年2月 https://www.j-n.co.jp/cgi-bin/product_detail.cgi?code=4-408-61131-X (2) 「あなたの寿命はもっと延びる」 http://www.nhk.or.jp/special/libraly/04/l0009/l0919s.html (3) http://www.snowdolphins.com/member.htm 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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