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2006.2.16 |
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外来種駆除策に意味があるか…在来種を守るため、外来種侵入阻止の動きが本格化してきたようだ。2006年2月3日、交雑の恐れがあるということで、環境庁が遺伝子組み換え「光るメダカ」の違法輸入を摘発したとのニュースが流れた。(1) 成功裏に、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(2)の制定にこぎつけ、外来種侵入阻止策を推進する立場だから当然の動きだが、余りに些細な話なのでがっかりした。 違法輸入は撲滅すべきだが、「メダカ」のような絶滅寸前の種の場合、外来種流入を抑えたところで、在来種が生き延びれるとは思えない。 「メダカ」の在来種減少の本質的な問題とは、清流が流れる田圃が消え、棲める場所がなくなってしまった点だ。 → 「めだかの話」 (2006年2月3日) と言って、日本は、在来種「メダカ」を守るためだけに、昔風の田圃を復活するほど裕福な国ではない。 我々が在来種「メダカ」にできることといえば、ほんの僅かに残っている棲み家を守るとか、人口環境で飼育する程度だろう。残念ながら、それ以上はお金がかかる割りに効果は疑問だ。 種を守る施策も、できれば税金ではなく、ボランティア活動や寄付で行うべきだと思う。それで失敗したのなら、致し方あるまい。 そもそも、魚の場合、広がってしまった外来種を駆除し、在来種を守るのは無理ではないかと思う。魚一匹が産む卵の数は膨大である。とてつもないお金をかけても、侵入してしまった外来種を絶滅に追い込むことなどできまい。 在来種とは、地域独特な環境に合わせて残った種である。もしも、その環境が変われば、適合できなくなる。そんな在来種は衰退するか滅びるしかない。進化論の原理が成り立つのなら、在来種にかわり、今まで見慣れなかった種が勃興してくることになる。 要するに、外来種がこの役割を担ってしまっただけと見ることもできる。 従って、在来種が弱体化してから、外来種をいくら叩いたところで、在来種の再繁栄などあり得まい。下手をすれば、その種全体が減ってしまいかねない。 もとはと言えば、たいして考えもせずに、外来種を取り入れてきたツケである。 例えば、「メダカ」の敵と言われる「かだやし」にしても、日本に持ってきた理由は、名前が示す通り、蚊の幼虫「ぼうふら」を食べてもらうためである。どの程度、蚊の撲滅に寄与したか、ははなはだ疑問ではあるが、その役割が不要になれば、突然敵視され始める。今や、都会で、蚊の発生源として問題にされる箇所は、「かだやし」が棲める場所ではなく、生活場面に近接する水溜りなのだ。 これでは、ご都合主義としか言いようがあるまい。 「ブラックバス」も同じようなものだ。 素封家、赤星鉄馬氏が芦ノ湖に放流したのは1925年のことだという。(3) 長い間、誰も文句を言わなかったのだが、在来種減少が目立ち始めると、突如敵視され始めた。 心情的にはわかる気もするが、流入させてしまったのだから、今更後悔したところで、如何ともしがたい。 「ブラックバス」にとって好環境になったため、急増したのだと思うが、魚食性のお蔭で、敵役になってしまったのである。 しかし、同じ外来種でも、1877年に移入(4)された「ニジマス」を敵視する人はいないと思う。こちらは、「ブラックバス」と違って、漁業に多大な貢献をしているからである。 外来種侵入阻止は初期対応が重要である。いったん環境に適合して広がってしまえば、いくら駆除しても、後のまつりである。叩いても、叩いても、すぐに元に戻ることになろう。 効果が期待できそうにない外来種駆除など諦め、在来種の棲み家を準備した方がよいと思うのだが。 --- 参照 --- (1) http://www.sankei.co.jp/news/060203/sha087.htm (2) http://www.env.go.jp/nature/intro/3shiryou.html (3) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%90%E3%82%B9 (4) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B8%E3%83%9E%E3%82%B9 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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