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2010.11.1 |
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報道抑圧度評価を一瞥して…Reporters Without Bordersの年次報告を久方ぶりに眺めた。(2010年10月20日発表)日本の報道抑圧度の高さが気になったのは、もう7年も昔のこと。 → 「 裏社会化 (2:メディア)」 [2003.11.2] その頃は、“日本は、報道抑圧的な仕組みを温存するつもりか、問われている”と書いたものだが、ずいぶん良くなったので感心した。 ランキングも11位。 トップの北欧5ヶ国の抑圧ゼロ社会や永世中立国並みにするのは無理としても、オランダや欧州の小国、ニュージーランドに近付いたのは立派なものである。 なにせ、、独・英・米をはるかにしのぐ評点なのだ。言い換えれば、小国の道を歩み始めたと言えないこともないのである。それで、経済が好調ならよいが、逆というのがチグハグで、どうもいかん。
気になったので、2003年は70を超す評点だったブータンを見たが、ようやく発展途上国並に改善されたようだ。どう見たところで厳重な情報管理体制を敷くことで国民を無知のままにしておくというトンデモ国家だった。そして、その実態は少数民族徹底弾圧の国粋主義信奉国。それをこともあろうに、“幸福の国”と喧伝するのだから呆れたが、これからはそうもいかなくなるだろう。 その隣国ネパールも格段に改善されたが、先行き不透明。報道自由度が増しているからといって、政情安定に向かっているとも断言しかねるところが難点。ただ、社会状況が海外に伝わり易くなれば、突然の内乱再開とか大国激突を仕掛ける勢力の暗躍は難しいなるから、多少は安心できるといったところか。 まあ、その辺りは変化もあるが、北朝鮮、中国、ベトナム、ラオス、ビルマ(ミャンマー)はどうにもなるまい。点数変化を眺めなくてもどのレベルかは自明である。ただ専門家は、100点満点をとれなかった箇所はどこか検討したくなるかも。 ブータンの話をしたから、ここでも一言必要か。こういう国々を治安のよさて賞賛する人が大勢いたりするのが、日本の一大特徴である。当たり前だが、独裁政権が来て欲しいと考えている外国人に危害でもあたえれば、どんな罪になるかは皆よく知っているから、安全なだけの話。だが、外国人だからといってリスクが低い訳ではない。不愉快な輩と見なされたりすれば、麻薬の包みでもポケットに押し込められ、警察に突き出されかねない。言うまでもないが、その濡れ衣を晴らしてくれる報道は全く期待できないのである。 他に注意を払っておくべきは、ASEAN諸国と中央アジア諸国か。 この地域では、急速に悪化している国が少なくない。内部対立が激化しているからだろうが、報道が不活発だと、これ幸いと大国が内政に手を突っ込んできたりしかねないから厄介である。そして、もう一つの心配のタネはイスラム教国。パキスタンやアフガニスタンの悪化と軌を一にした動きが始まっているのでなければよいが。情報が乏しく、底流でどんな変化が生まれているのかよくわからない上、憶測記事も多くて流れが見えない。ある日突然の変化だけは御免被りたいものだ。
ただ、一時心配された香港は10.75と安定しており、韓国よりましな数字だ。世情が安定しているのだろう。まあ一安心というところ。 --- データ出典 --- “Press Freedom Index 2010” http://en.rsf.org/press-freedom-index-2010,1034.html 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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