■■■ 多摩動物公園大人向きコース 2013.5.3 ■■■

   真新しい「アジアの平原」訪問

多摩動物公園は、2013年4月26日13時から、約1haに及ぶ展示場、「アジアの平原」を一般公開。野馬と狼だけだが、両者ともそれなりの集団を形成しているし、立派な施設だから、暑くなる前にのんびりと訪れるのも一興では。

その場合、平面地図を見て、入り口からすぐの三叉路を左折して道なりに歩き、鳥舎を経る歩き方はお勧めしない。上りということもあるが、舗装された広い林道をただただ歩いている気分に陥るから。もちろん、それがお好きなら別。
無料マイクロバスで、「アジアの平原」まで行くのが無難。---バス即時開通とのことで訂正
他に、以下の2つの行き方がある。
・サイ舎前下車:少々バス道を上り、左手のシフゾウ広場に降りて、反対側の崖の階段を上り、舗装道路に出て左折して、あとは道なり。
・オラウータン舎前下車:ユキヒョウ舎側に左折して下り、そのまま広い舗装道路を道なり。レッサーパンダ舎、ゴールデンターキン舎、シャモア舎前を通って行くことになる。

この施設のウリは、モウコノウマ8頭と、日本ではすでに絶滅したタイリクオオカミ12頭が、「隣り合って」飼われているだけでなく、両者の展示に一体感を生み出そうと工夫している点。(旧舎にまだ残っているメンバーもおり、今のところ全員参加ではない。その理由は定かでない。)
理屈では、実に面白い企画である。狼の諸君は野馬君達を、小高くなっている地から眺めることになるからだ。この情景、本来なら、「いかにして喰うか」と「いかに上手く襲撃から逃れるか」という両者の知恵の戦いを意味する。一体型展示にすれば、動物園でも、そんな緊張感が生まれると考えるのは無理がありそうだが、のんべんだらりの生活でなくなるのは意味があろう。と言うか、観客にとっては興味津々なシーンである。

新入りの方々のいた環境は知らぬが、モウコノウマ君達 [2013.3.26]>>>の旧居は、乗馬用施設によくある厩舎と運動場のようなところ。野馬だから群れて走り回れる広さが欲しかったと思うが、これでかなりよくなったのは確か。
ただ、新施設でのお気に入りは広さより、地上に僅かに生えている草と、広い水場のようだ。
そういう魅力があるせいか、以前は観客に近寄ってきたりして、家畜的な感じが濃厚だったが、その雰囲気は消えつつありそう。もっとも、それは、僅かな青草を食べ尽くすまでかも。
それより、厩舎で日陰ができるのかが気になる。草原の馬だから、そんなことは気にする必要無しという訳にもいかないと思うが。野馬より、冷房に慣れきっている観客の方を心配すべきか。

まあ、そんなことよりは、モンゴルとの国交樹立40周年を記念してモウコノウマが寄贈されたということの方が重要ということでもある。動物園外交ということ。奥のTakhi厩舎デザインもゲルもどきで、それは多摩の伝統でもあるとはいえ、ずいぶんと凝っている。そこまでのこだわりがあることが、写真でモンゴルの人々に伝わるとよいのだが。
日本と同じで、漢文化をそのまま取り込もうとはしなかった民族の国家同士でもあり、親近感に繋がろう。(もっとも、元寇といった対立要素もあるが。)その友好ムードをベースとした協調関係構築がことのほか重要な時代に入ったことも忘れるべきではなかろう。北朝鮮の核保有により、東アジアの地殻変動が始まってしまったからである。政治的に力が入って当然の話なのだ。

ともあれ8頭も飼育するとなれば、以前の状態では、いかにも窮屈。今迄の運動場はまあよくある乗馬倶楽部の厩舎付属施設的だったから。これで、ようやくにして動物園的な雰囲気が出てきたことは確か。
もともと、狭い運動場でも、気が向けば、駆け回っている姿を見せてくれたから、新居に慣れてくれば「野馬」らしさも発揮してくれるかも。

野馬君の方はいいのだが、オオカミ君達は多少心配である。なんとなくだが、イジケタご様子だから。それこそ、ヒトと視線が会うと溜息が漏れそう。環境変化からくるストレスなのだろうか。尻尾を巻いて下目ですごすごと逃げる野犬的な態度ほどではないにしても、狼らしく毅然とした姿勢を見せて欲しいところ。まあ、この辺りは、感性で見方はいかようにも変わるから、なんとも言えぬが。

(モンゴルの住居デザインの厩舎、モウコノウマ、タイリクオオカミが一枚に収まっている写真が掲載されている記事) 「アジアの平原」オープン 東京・多摩動物公園 2013年4月30日 朝日新聞


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