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■■■ 上野動物園大人向きコース ■■■
2014.3.23

モンキー尽し

マダガスカル動物にお会いするコースを記載したが、そこにも日本語的には「猿」に該当する希少種が入っている。  → 「赤い島の生物史に浸ろう」
【 レムールの島】
 ワオキツネザル/Ring-tailed Lemur
【 レムールのケージ】
 クロシロエリマキキツネザル/Black-and-white Ruffed Lemur
【 アイアイ舎】
 アイアイAye-aye
 ハイイロジェントルキツネザルEastern Lesser Bamboo Lemur
 ブラウンキツネザルBrown Lemur

しかし、アイアイはとても猿とは思えないし、他も、鼻先が尖っているから、確かに狐顔ではあるとはいえ、狐猿と呼ぶのはどうかと思う。かつては「原猿」と呼んでいた訳だが。やはり仏語的にレムールというのがあっていよう。

それはそれとして、レムール類とアイアイはMonkeyではないから、今回は除外しよう。そして、ヒトに近いApeも。そうなると、パンダに次ぐ、上野動物園目玉展示の「ゴリラ・トラの住む森」に行く必要もないので、立ち寄る先は3ヶ所でよい。正門入ってすぐのサル舎+その奥のサル山と、不忍池側の小獣館(一階と地下)。尚、バードハウス横にある「夜の森」にもスローロリス君(若干大きい方)がいるが、モンキーではないので割愛しよう。そうそう、サル山も、御免被るという人も少なくないなら、もっと行く場所は限られてくる。(猿山の集団状況を見続けていると、色々な性格が見えてきて、ついつい自分達の生活に当て嵌めて考えてしまい、身につまされる想いがするので、見たくないとか。)

全体観は以下のような分類表で確認するとよい。

3群を眺めようということ。
○Monkey以前の、ロリス、ガラゴ、メガネザル。
 目が矢鱈に大きく、リスのような連中だ。
○そして、中南米のMonkey。
 小さいものから、中くらいのものまで。
○これと所謂サルとの比較。
 世界で一番北端に住む日本猿とは随分と違う。
 もちろん、コロブスはこの縁戚ということで。

 ゴリラ以外のApeは多摩動物園で。

これなら、すぐに見終わると思わないように。時間の余裕がないと、展示場前を通ったというだけで、どんな生き物なのかさっぱりわからずもありえるからだ。実際、「いないみたいだネ。」と言って通過していく人はことのほか多いのだが、どうしたら見れるかのアドバイスは頂けないようなので、じっくり探すとか、少したってから再度眺めるなどしないと。・・・と言うことで、それなりの、ほんの僅かの忍耐が必要なのである。

小生の体験ではこんなところ。たまたまそうだったというだけのことだから、参考にはならないかも知れぬが。

順路に沿わず、先ずは、夜行性の小獣から。これらを見るのは一苦労である。というほどでもないか。

レッサースローロリスは、巣箱付近や木の上の方の、観客目線から遠いところで、知らん顔を決め込むのがお好みのようだ。木の上を動いていることもある。スローな動きなのは、どう動くか考えてから動くのではなく、動きながら考えているからではないか。そんなシーンをなかなか見せてはくれないが。ただ、当然ながら、食事の時はよく見える場所にやってくる。でも、ヒトの目線は面白くなしということのようだが。

○これに対して、スローロリスは若干大きい訳だが、これだけが、展示場所が」夜の森」なので、比較感は生まれにくい。目線が届きづらい場所にいるから、ほとんどの観客は不在と解釈して通過していったりする。ただ、こちらは、結構よく動く感じで、見えるところにしばしば登場。他にすることもないから、遊んでいるといった風情。

ショウガラゴは、いくら見ても、不在としか思えない。同居動物がいるので、観客はそちらを見て通っていく。しかし、そんなことがあろう筈もないので、関心を引くかも知れぬといった動作をしてみる。すると、それに気付いたのか否かは定かではないが、巣箱から顔だけ乗り出し、じっとこちらを眺め始めたりして。なんなのかネ。たいていは、2〜3の顔としばしのご対面でお開き。
しかし、辛抱強く、ご挨拶に参上しているのだがネという調子で訴えかけていると、やがて巣箱から出てくる。集団生活が慣れているようで、次々と。ただ、ケージ内を跳び回ることはなく、すぐに木の天辺に登り、こちらをじっと注視。都合、12の目線を浴びることになったりして、たじろがされる。

スラウェシメガネザルは結構神経質なのかも知れぬ。できるだけ木の上の方に行って、目線を避けている感じ。残念ながら、遠くて、どうしているのかよくわからぬ。

○名前から見て正真正銘の夜行性の小獣のヨザルは、体が多少大きいせいもあるのか、覚醒した状態で、落ち着き払って渡し棒の上に乗っていた。と言うと、堂々としているように思ってしまうかもしれないが、そういう「ことではなく、ガラスに貼った説明シートの裏にいるのである。ほとんどの人は、同居しているアルマジロのチョロチョロした動きに気をとられるので、ヨザル君は目線を感じなくて済むということ。

○同じ小獣でも、こうした姿勢とは無縁なのが、コモンマーモセットワタボウシタマリン。群れの仲間以外は、全く眼中にない。観客は「可愛い!」と声をあげるが、そんなものは完全無視で、始終せわしなく勝手に動き回っているだけ。群れ生活とはそういうものか。

小獣と言えなくなる大きさになると、これは誰が見てもモンキーそのもの。自己主張ありげな方々ばかり住んでいるので、じっくり眺めたいもの。

ブラッザ[De Brazza's]グエノンは実に魅力的。ケージが美しくないので、さっぱり見映えしないのが残念だが。その毛艶というか、微妙な色調は素晴らしいの一語。それに、ニホンザル君には申し訳ないが、その落ち着き払っている態度から生まれる気品の違いが目につきすぎるのである。

○見た瞬間ギョッとなるのが、シロガオサキ。白顔といっても、色白美男子という手ではなく、迫力を感じる形相なのである。どうして、このような顔つきをしなければならないのか、大いなる疑問。奥様も子供も、全く違う印象だというのに。

アビシニアコロブス 一家は隆盛を誇っているようで、3月3日にも一子誕生。毎年の好例。時期を選ばずという感じだが、野生でもはたしてそうなのだろうか。2桁を越える所帯になっている筈だ。全員、落ち着き払って生活しているようで、なにより。

ジェフロイクモザル 君にもそうなって欲しいもの。

【霊長類】

│┌【曲鼻】
││
│││┌【レムール/Lemur】
││││├コビトキツネザル
││││├キツネザル,ワオキツネザル
│││││-ハイイロジェントルキツネザル,ブラウンキツネザル,
│││││ クロシロエリマキキツネザル
│││││ ワオキツネザル
││││└インドリ
││├┤
│││└アイアイAye-aye
││-アイアイ
││
│││┌ロリス/Loris
││└┤-スローロリス ,レッサースローロリス
││└ガラゴ/Galago
││-ショウガラゴ
└┤
└【直鼻】

├──メガネザル/Tarsier
-スラウェシメガネザル

└【猿類】

【広鼻モンキー新世界系】
[キヌザル]
┌マーモセット/Marmoset
┌┤-コモンマーモセット
│└タマリン/Tamarin
┌┤-ワタボウシタマリン
│├オマキザル/Capuchin Monkey
││
├─┤└リスザル

├─ヨザル/Night Monkey
-ヨザル
├─サキ/Saki Monkey
-シロガオサキ
├─ウアカリ/Uakari

│┌ホエザル/Howler
└┤
クモザル/Spider Monkey
-ジェフロイクモザル

【狭鼻モンキー旧世界系】
オナガザル系>
┌アレンモンキー
┌┤/Allen's Swamp Monkey
│├Talapoins
│├パタスモンキー/Patas Monkey
│├Vervet Monkey
│└グエノン/Guenon
┌┤-ブラッザ[De Brazza's]グエノン
││
││ <ヒヒ・マカク系>
││┌ヒヒ/-Baboon
││├グラダヒヒ/Gelada
││├マンガベイ/Mangabey
││├マカク/Macaque
│└┤-ニホンザル
└マンドリル/Mandrill
│┌┤
│││<コロブス系>
│││┌コロブス/Colobus
││└┤-アビシニアコロブス
││├ドゥクモンキー
││├テングザル
││└ラングール/Langur
└┤
│【Ape】 以下の灰色は多摩動物公園で。
│┌【ヒト近縁中型】テナガザル/Gibbon
││-シロテナガザル
│├【ヒト近縁大型】オランウータン
└┤-[ボルネオオランウータン]
【ヒ ト的体躯】
[絶滅]ギガントピテクス
【ヒト族】
├ゴリラ
-ニシローランドゴリラ
【ヒト的挙動】
├チンパンジー, ボノボ
-[チンパンジー]
└ヒト


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