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2007年3月22日
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東京水族館ツアー…

 東京の名所は水族館である。・・・ということに最近ようやく気付いた。

 おそらく、これほどまでに、水族館好きな民族はいまい。
 しかも、それぞれ特徴があり、それなりにお客さんがついているようだ。経営状況は別として。

 ご紹介しよう。

 先ずは、代表。
 都立(建設局管轄)、いや財団法人東京動物園協会の『葛西臨海水族館』。
  → 『葛西臨海水族館』

 恩賜上野動物公園から移ったと聞いたことがあるが、正しいかどうかはわからない。
 はっきり言って、なんでも揃っている大掛かりな水族館である。

 沖縄の国営記念公園『沖縄美ら海水族館』のように、広い植物園もあり、素晴らしい海があり、巨大甚平鮫が泳ぐ巨大水槽とまではいかないが。
  → 『沖縄美ら海水族館』

 沖縄美ら海水族館には、側の滞在型ホテルに泊まりこみで、2度行ったが、なんといっても、巨大水槽での魚の泳ぎっぷりが素晴らしい。

 葛西はそこまでいかないが、鮪の回遊をのんびり見て楽しむことができる。じっくり眺めることができるスペースが嬉しい。
 もっとも、鮪は、群れで泳ぐのが自然体という訳ではないそうだ。リーダーがいないとバラバラになるとか。ガセネタかもしれないが。小魚は、互いに近づきすぎず、遠ざかりもせず、同じ方向に動けば自然に群れにのに、大きな魚になると、違うとも思えないから。

 葛西のように大仰な施設でなくても、人気の水族館もある。
 葛西は、京葉線の葛西臨海公園駅にあるが、こちらは繁華街の池袋。京葉線の新木場からなら、地下鉄有楽町線で30分位。
 『サンシャイン国際水族館』である。サンシャインシティの目玉だ。
  → 『サンシャイン国際水族館』

 なんで“国際”なのかは不明だ。
 ここの驚きは、ビルの屋上にあること。高層階に、わざわざ重い水槽を設置するという、あまりの非常識さに脱帽。もっとも、これは万一の時の防火用水と見ている人もるから、なにが常識かはよくわからないが。
 水族館というのは、表から見れば綺麗だが、裏は工場に近い施設である。水の循環・濾過装置だけでも大掛かりなものになる。一体、どこにそんなものを設置したのか気にかかる。
 もっとも、サンシャインのウリは魚ではなく、ラッコ。落ち着かない動物だが、見飽きない。

 ここからの帰り、池袋駅まで歩くなら、もう一箇所寄るべき場所がある。
 西武池袋本店、地下2階の『生鮮倶楽部』の鮮魚売り場。
  → 『生鮮倶楽部』

 沼津港朝網鮮魚や世界からの魚が陳列されている。と言うか、売っているのだが。
 なんと言っても素晴らしいのは、入場無料という点。こんな素晴らしいものはない。それに、食べるところもあるし。
 冗談で言っているのではない。
 某地方で○○○湖水族館に有料で入場したのだが、薄暗く寒々とした部屋に、20位の小振りの水槽が並んでいるだけ。解説もよく読めないし、説明する人もいない。しかも水槽に入っているのは、泥鰌、鮒、鯉、鱒、といったよく知られた小魚ばかり。しかも、寒いためか、疲れたよ顔で水槽のなかでじっとしている。これでは、デパ地下の方が余程美しいし、魚も元気そのもの。泥鰌など、塊で騒いでいるし、活き魚もみることができる。
 第一、周りの活気が違う。
 水族館には、これが一番大事である。

 おっと、ちょっと話が外れた。
 デバ地下の生鮮売り場は水族館とは言えないが、魚売り場の水族館も無い訳ではない。
 東京タワーの下にある『東京タワー水族館』だ。
  → 『東京タワー水族館』

 ここは、多分、都民対象ではなかろう。東京タワーに遊びにいったという人の話を滅多に聞かないからである。
 ただ、一部の人には、この水族館は結構有名である。魚に正札がついているからだ。
 水槽にいないとすれば、売り切れ御免かも知れない。ご丁寧に飼い方の解説付きの水族館である。要するに、熱帯魚・金魚・鯉といった鑑賞魚だけ。
 これはこれで、マニアもいるし、結構面白い企画である。アクアショップの親分という訳。
 と言うことは、都民でも、アクアマニアは時々来る場所かも知れぬ。
 尚、入り口の熱帯魚にはハワイアン、出口の錦鯉には琴の音楽を聴かせている。観光地でよくある、歌謡曲をスピーカーで流すお土産屋さんのノリだ。
 だいたい入り口からして、そんな雰囲気がする。

 さて、東京タワーから浜松町駅にでたなら、是非、品川に行こう。
 ここには2つも水族館がある。

 先ずは、品川駅前の高層ホテルの下の、『エプソン 品川アクアスタジウム』。冠名称はあるが、ホテル経営のようだ。
  → 『エプソン 品川アクアスタジウム』

 開館してだいぶだってから、空いていると考え、平日の昼に行ったのだが、どういう訳か、2度とも混雑していたので驚いた。団体がいるようにも思えなかったが、交通至便だからかも。
 それに、次ぐ次と水槽を見て歩き回るほどは広くはないせいもあろう。
 しかし、ここは、それこそがウリ。
 鮫とエイの海中トンネルを見に行くということになるが、見ものは揃っている。
 マンボウはいるし、オオカミウオもいる。ハリセンボンやサザナミフグが一生懸命泳ぐ姿も愉しいし。
 まさに、都会でささ〜と見るのに最適。
 “スタジウム”との名前がついているのは、イルカとアシカのショウがあるからだろうか。閉館は夜の10時。デートコースということか。

 品川のもう一つは、しながわ区民公園内にある『しながわ水族館』。もちろん、品川区の運営。
  → 『しながわ水族館』

 京浜急行線で8分の大森海岸駅で下車、徒歩約8分であるから、たいした距離ではない。
 何故、品川区がこんなことまでするのかは、品川区民ではないため知らないが、平和島競艇場のすぐ脇の公園に、なんとかしてファミリーで楽しめる文化施設をということではないかと見ているのだが。
 ここのウリは、魚たちが泳ぎ回る水槽をくぐるトンネル。壮観である。もっとも、イルカ好きは、イルカ水槽が楽しみなのだそうだ。
 経営状況はわからないが、設備投資が続いている。それに、面白そうな企画を考えるなど、一生懸命なので気持ちよい。

 そうそう、一つ忘れていた。
 吉祥寺にある井の頭恩賜公園の『井の頭自然文化園 水生物館』。
 もっとも、水族館というより、ミニ動物園の付帯施設。
  → 『井の頭自然文化園 水生物館』

 極く極くローカルな感じの、展示室といった感じである。この公園もマンションに囲まれてしまい、清流があったころを忘れがちだから、その頃の生き物を忘れずにおこうとのコンセプトだろう。
 そういえば、ここには、大川(隅田川)に注ぐ神田川の源の池があるし、1653年開通の、多摩川・羽村堰から四谷大木戸までの上水路『玉川上水』も未だに流れている。江戸の歴史を感じさせる場所である。
  → 『玉川上水』散歩コース

 公園の方はいつでも結構人がいるが、自然文化園は有料なので、人は少ない。のんびり過ごすにはよいところだ。

 ここを訪れると、板橋区立淡水魚水族館を思い出してしまう。区立東板橋公園内にあったミニミニ動物園付帯の小規模展示施設である。残念ながら、行かないうち、2004年3月に閉鎖されてしまった。
 こじんまりした施設を持つことが、結構嬉しかった時代もあったのである。


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