■■■■■ 2010.11.24 ■■■■■

 柳田法相の放言をどう見るか

 柳田法相が就任パーティでの発言が元でついに辞任。
 実に残念。問責決議案に“堂々と”反対票を投じる議員の姿を見たかった。

 それにしても色々な意見があるようだ。
 なかには、正直すぎたと見る人もいるようだ。その裏には、今までも似たような人だらけだったから、黙認してもという感覚がありそう。旧来政治愛好者なら間違いなくそんなところ。
 マスコミ論調は、「緊張感欠如」というものが目立つ。

 「政権交代」で、官僚まかせの政治を止めると宣言した政府の大臣発言だせ。両者ともに、勘違いしていないか。

 なにもわからなくても、国会答弁は官僚から頂戴した作文を読むだけでよい。判断がつかないなら、教えてもらった2つの答弁常套用語「法と証拠に基づいて適切にやっている」と「個別の事案についてはお答えを差し控えます」で済ますこともあり。・・・それを止めることをウリにした政府なのではなかったのかね。
 派閥力学と年功序列制度維持の観点で大臣を起用せず、適材適所でいくという話だった筈。

 ところが、そんな内閣の大臣が、担当分野は全くの素人なのである。しかも、これほど楽な仕事はないと高らかに発言するのだからたいしたもの。「法相はいいですね」と語ったのである。
 反省しようがしまいが、即刻罷免が当たり前。
 それが罷免どころか、「歴代法相に比べればがんばっている」と首相が擁護するのだから呆れた。首相をただただ支えてくれるので有り難い人材なのだろう。あるいは、民社党系議員の大臣職数合わせかも知れぬが。

 従って、正直な発言とのコメントは笑止千万。もしそうなら、例えばこういう発言になる筈。
  ・この分野は素人ですが、逆にそこを見込まれて起用されました。
  ・最初は驚きましたが、確かにその通りだと思います。
  ・国民のための法務省にすべく只今奮闘中であります。
  ・法務省の文化でおかしなところが見つかったら万難を排して変える決意です。
  ・ただ、まだわからないことが多く、どうしても常套句を使ってしまいます。
  ・昔となにも変わらないように見えるでしょうが、少し我慢して下さい。
  ・政権交代の意義を踏まえて頑張る決意です。

 正直な人だとしたら、それはこの内閣は政治主導など全く考えていないということ。官僚の作文を疑問もさしはさまず読める人物が最適ということ。確かに、適材適所と言える。歴代法相よりよいのである。

 NHKは発言画像を流したが、実に良い仕事をしてくれた。これは発言のあら捜しビデオではない。まごうかたなき、この政権の本質を抉り出したスクープ映像である。

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