■■■■■ 2011.2.2 ■■■■■

 新燃岳の噴火は大いに気になる。

 新燃岳の噴火映像は凄い迫力。世界的に見れば小規模だろうが、自然の力の巨大さを思い知らされる一瞬である。
 これは日本列島全体の地殻大変動の前兆現象ではないかという思いがよぎる。ただ、素人がそんな言葉を漏らしでもすると、「風評被害」を与えようとしている不埒な輩と見なされかねないから、いい加減なことは言えないが。

 ただ、気になることは少なくない。カムチャッカ半島、ルソン島、ジャワ島での火山噴火は、素人には、"Ring of Fire"西端での火山活動活発化に映るからだ。まさか、互いに無関係などとは言えまい。
 プレートの接点における異常圧力により、割れが発生すれば大地震で、水分を含む岩石が高圧縮されるとマグマが生まれ、割れ目を伝わって噴出すれば大噴火という理屈が当たっているなら、プレートの他の場所で大地震・大噴火が発生し始めたら、日本列島でも同様な現象が起こる確率が相当高まっていると考えるのは当然では。
 ちなみに、西太平洋の島嶼を縦一列にした概念図にすれば、以下のようになろうか。

---プレート状況------海外の活発な火山---

































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カムチャツカ半島-----KIZIMEN KARYMSKY SHIVELUCH
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−−小笠原

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西 蔵
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ルソン島-----Mayon Taal Bulusan


インドネシアネ シ アジャワ島-----Bromo TENGGER-CALDERA MERAPI

印 度 豪 州 プ レ ー ト

"SI / USGS Weekly Volcanic Activity Report" http://www.volcano.si.edu/reports/usgs/index.cfm

 海洋プレートが沈み込む所に生じる海溝と大陸プレートの端にできる島弧。海溝から一定の距離に並ぶ火山帯。一度噴火した所は、数千年レベルで考えれば、何回でも同じことが繰り返されておかしくない。にもかかわらず、「死火山」などという用語をいつまでも使っていたのは信じがたいこと。

 新燃岳は、上記の図でみれば、プレートのぶつかりあいの焦点となっていそうな箇所なのだろう。火山名で並べてみるとよくわかる。 [>>> (C) AIST]
 この山は、大被害をもたらした雲仙とは訳が違い、大事になる可能性を否定できない位置にある。
   <別府湾>
   鶴見岳・伽藍岳△
   由布岳
   九重山△ (猪牟田カルデラ)
   阿蘇山▲ (阿蘇カルデラ)
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    (加久藤/小林カルデラ)
   霧島山[御鉢△ 新燃岳▲ 硫黄山]
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   米丸・住吉池マール
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   若尊△ 桜島▲ (姶良カルデラ)
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    (阿多カルデラ)
   開門岳 指宿[池田]・山川 (池田カルデラ)
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   薩摩硫黄島▲ (鬼界カルデラ)
   口永良部島△
   口之島
   中之島△
   諏訪之瀬島▲
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   硫黄島島△

 歪が一様に加わることは稀であり、霧島山辺り偏在しているとすれば、カルデラの更新があっても驚きではないということ。鹿児島湾の姶良や姶良カルデラは、当この地域の先進文化を壊滅させたと思われるが、そのような事態が再び発生しない保証はない。最悪を予想し、その時はどう対処するか計画を立てておくべきではなかろうか。

 そんなことを言いたくなるのは、この問題は他人事ではすまされないからだ。西太平洋全体が大きく動いているとすれば、霧島山だけが活発な活動をするとは思えまい。島嶼の縦列をみれば南九州辺りだけでなく、もう一箇所どうみても活発しそうな箇所が目に付く。そう、富士山である。この辺りがどうなっているのかは、専門家でもさっぱりわかるまい。なにせ、有珠山の経験を生かせるかと思ったら、三宅島噴火は全く予想できなかったのだから。
 三島駅南口の楽寿園まで溶岩が流れた位の、大噴火になり易い山であるのは明らか。そんなことが繰り返されない保証など無いのである。
 それを考えると、とてつもない大規模自然災害は長期の予知より、直前探知と警報伝達の仕組みつくりに力を入れた方がよいのではないか。そして、なんといっても大切なのは、最悪の時にどうするか、予め考えておくこと。
 そんなことを表立って行うと、風評流布で社会混乱するという人が多いため、どうも力が入らないのでこまったもの。

 霧島山麓への降砂は凄まじいものがあるが、富士山が大噴火でもしたら、同じように火山灰が首都圏を襲うのである。江戸時代には実際そのようなことがあった訳だ。現代の都会がそれに耐えられるのかは、はっきりしていない。
 唐より交流が盛んだった渤海も、白頭山噴火で経済基盤を喪失し異民族に征服されたらしいが、東アジアの「地勢」は昔から根本的に不安定なのである。

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