■■■■■ 2011.3.12 ■■■■■

 NHKには報道機関の役割を発揮して欲しいものだ。

 原発事故については、NHKは恣意的な解説報道を続けている。いい加減に止めてくれないか。

 第一報から、正しいことを伝えていない。誰でもわかる大事故である。・・・「緊急炉心冷却装置」不全。
 ところが、解説はポンプが稼動していないという言い方ばかり。そんなことはどうでもよい情報。
 表現もおかしい。「安全に冷やすことができなくなっている。」というのである。一体、何を伝えようとしているのか。

 しかも、「正確な情報に基づいて行動してください」と何回も繰り返す。とんでもない話である。正確な情報どころか、最初から、判断に役に立つよう情報は何一つ提供されていないからである。ただただ、毎回、断片的な話をするにすぎず、常に原因究明中。
 何のデータもなく原因はわからない状況ということか、原因を公にしていないのどちらかであり、はっきりそれを言うべきである。
 しかし、以後、この姿勢を改めることはない。
 建屋の外壁が爆発で吹き飛んで、時間がたってからも、政府発表は分析中というもの。そんな記者会見を流して何の意味があるのかね。

 正直にそう思うなら、そう言うべきだろう。・・・「民は、"お上"の言うことだけ聞いて動けばよい。何も考えるな。」
 危機状態で、これが報道機関の姿勢として正しいといえるかね。

 政府の質の低さはわかっているのだから。
 だいたい、釜が破裂しかねない事故があり得るとしたら、総理大臣が最初に行うべきことなど自明。即刻、万一を考えて10Km圏の住人の脱出を始める旨の宣言をすること。ただ、それまでに時間は十分あるし、自衛隊を使って全力で対応するから安心せよと言うのが当たり前。結局、何も発言せず。
 「緊急炉心冷却装置」不全事故現場を緊急視察して一体どういう意味があるのか。

 解説もなにがなんだか。
 ポンプが動かないのが、電力量不足なら、首相指示で、自衛隊や米軍に依頼して日本全国から電源車を緊急調達するのが普通だろうが、そんな話は一言もなかった。それなら、すべてのポンが壊れているか、コントロール機構が壊れたと考えるしかない。どちらだろうが、早晩冷却不足になるのは明らか。
 釜の口を開けて蒸気を出さなければ爆発である。
 そんなことは、素人でもわかる話。ところが、一言も語らず。これを"風評というのかね"

 当然ながら、時間が経てば釜の圧力が高まってくる訳で、バルブを開けるしかない。その程度の放射能汚染はしかたがない。この段階になっても、解説は「正確な情報に基づいて行動してください」というだけ。いったい何なのかね。
 驚いたのはバルブが開かないという話が出てきたこと。解説者が平然と語っているのには唖然。このことは、炉は全くコントロールできなくなってしまったということである。もう、なるようにしかならない訳である。
 バルブ部分の爆破対応するのと思ったら、ヒトの手でようやく開いたという。
 と言っても、燃料棒露出。こうなれば、熱で燃料棒破損から炉心溶融は当然の結果。水の熱分解が始まり、水素放出に進むのは素人でもわかる話。冷却できないのだから、あとはいくところまでいくだけ。

 早朝の一言で"復旧"などというピントはずれな言葉を言い出すは、専門家をつれて原発事故現場に行きますという、時間を無駄に使うだけの、判断力不足のグズなリーダーを抱えているのはわかっている筈だ。報道は、それを踏まえ、国民の命を守るために何をすべきか考えて欲しいものである。
 頼れるのはNHKしかないのだから。

(C) 2011 RandDManagement.com    HOME  INDEX