外車好みが多く住む地域で、最近、小型ドイツ車が矢鱈目立つ。サービスが良いから流行っているという話を耳にはさんだことも。
まあ、それはそうだろう。日本での販売価格はとんでもなく高く、濡れ手に粟の商売状態としか思えず、いくらサービスに費用をかけたところでどうということはない筈。
だが、そんな価格政策は、別にドイツ車に限るまい。流石にドイツ車ほどではなかろうが、米国で一番売れている日本車も、米国製造品を日本輸入しても十分すぎるほどの利益がでるような価格設定にせざるを得まい。
日本は、いまだに、鎖国政策を続けているのである。
かつて華やかだった日本製の家電品も、秋葉原で買うより、ニューヨーク五番街で売られている輸出品を持ち帰った方が圧倒的に安価だったことを思い出す人は多かろう。
要するに、国民全体で産業振興の補助金を与えていたということ。しかも、"自称熾烈な"五十歩百歩の製品開発競争に多くの企業が参加するという、重複投資と知恵の浪費を誉めそやす人ばかり。
確かに、そのお陰で、各社とも、輸出と国内販売のバランスをとりながら、トータル利益の最適化を図れた。
国家が全面的に支援するような競争相手もいなかったから、それでも日本企業は世界を席巻できた訳である。
しかし、その前提が崩れればなりたたない。今や日本企業に家電の競争力があるとは思えないと語る人までいるご時世。
確かに、TV市場での惨憺たる状況を見れば、それは正論。
海外企業が日本市場に入りにくいように、なんの意味もないICカード装着を義務付け、さらに強制的なTV買い替え政策と高額な販売補助金までつけた。
そこまでしても、カンフル剤の効果さえほとんど感じられないのが実情。
自動車産業も家電の轍を踏むことのないよう願うばかり。
(ref.) ちょっと古いが。
「アメリカじゃVW車がとても安く販売される謎について」2011/06/10 11:20 by Avanti Yasunori
http://clicccar.com/2011/06/10/32520