スタンドに並ぶ新聞の見出しをぼんやりと見ていて驚いた。常識的には、EUの"Crisis summit"問題がトップ記事だと思っていたら、そうではない新聞があったから。
オリンパスの新社長に関する話題が一面を飾っていたのである。産経新聞。
良く見ると、これが例外と言う訳ではなかった。日経新聞は経済紙だから当然だが、朝日新聞しかトップ扱いではないのだ。
とんでもないメディアだらけと言ってもよいのではないか。
ちなみに、日経新聞は銀行の資本増強が9%レベルと報じている。数字が決まったということは、各国政府が金融機関を強制的に押さえ込む姿勢を明確にしたことを示唆しており、ギリシア国債は50%か60%辺りでの減免決着の予感も。当然ながら、このことは域内安定化基金の総額も予想の範囲内で決着しそうとなる。方法は玉虫色だろうが。
なかなか的確な見出し。
朝日新聞はEU声明でたゾという感じ。今後、どうなりそうか示唆するようなものではない。
一般紙らしき表現と言えよう。
さて、それ以外だが、
東京新聞は、都内避難所閉鎖の話題。
ローカル紙化しているから、わからないでもないか。ほとんどの都民はそんなことを知らないから、それなりに意味があるかも。
しかし、大新聞たる読売新聞はコンピュータ・ウイルス感染の話だ。外務省よ、そんなことでコノ国は大丈夫なのかかといった調子なのだろうが。
となると、毎日新聞はどうせ、放射能汚染問題だろうと考えたら図星。福島原発廃炉に30年以上かかるゾといったところ。
いやー、ここまで内向きになっているとは。日本は孤立の道を歩み始めたのかも知れぬ。
ユーロの問題は、欧州にとっては、世界大戦後の大混乱を思い起こさせる大問題。グローバル経済の時代、世界にとっても一大危機勃発であるのは明らか。
26日の独連邦議会でのメルケル首相の演説は流石。第二次世界大戦後最大の深刻な危機に直面しており、責任を取る能力と意思があるのか、我々は世界から注視されているのだと議員に訴えたのである。
今や、瀬戸際ということ。にもかかわらず、日本では関心はさっぱり。遠い国々の話だし、手も出せないから、どうにでもなれという態度といってよいだろう。
国際感覚を失いつつあるのでは。
そういえば、サルコジ仏大統領がこの春に中国と日本を訪問した時も、単なる被災外交としての扱いだった。当時は能力を欠く宰相だったから、首脳間での話し合い自体が無意味だったから、致し方ないとはいえ、そんな状態が続くとえらいこと。
(ref.)
Patrick Donahue and Rainer Buergin: "Merkel Takes Rescue-Fund Vote to EU Summit as Berlusconi Pressed" Bloomberg 2011.10.26