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  ゾロ目記念日

なんの意味もない1の数列の日が到来。折角だから、この日を経済没落記念日としたらどうだろうか。
TPP交渉への参加反対派が国会で過半を占めていることがはっきりしたのだから。
農協が組織の存亡を賭けて動いているし、反企業勢力もここぞとばかり運動を繰り広げるから、当然の結果ではあるが、農協嫌いの人も大挙して反対に回っているというから世も末。

なかには、思わず笑ってしまう主張もある。米国の自由貿易促進の団体のサイトを紹介して、参加企業を「黒幕」と指摘したりするのである。TPP参加は米国の陰謀と叫ぶ訳だ。透明性の無い政治を行っている一番の大国とは米国なのかね。今もって、単純な鬼畜米英体質が染み付いているということ。瑞穂の国を守れという言葉に酔いしれている訳である。
この辺りの方々との議論は無理。差別的言語を交えた主張が英訳され、異教徒への反感を呼ばないことを願うばかり。

驚いたのは、おお真面目にピント外れな主張をする人が結構多いこと。一部の国だけのグループで経済ブロックを作るTPP型構想は絶対に避けよというのである。WTOの頓挫を見ていながら、東アジア経済共同体を夢想しているのだ。そんなものができるとすれば、中華圏構想以外のなにものでもないと思うが。

それに加えて、貿易立国を標榜するTPP反対論者が台頭。TPPは日本経済にたいしたメリットは無いという試算を見ての意見。数字的にはその通りだが、日本は貿易ルール作りのなかで孤立することになる。それでよいのかネ。今後の世界経済の伸びシロは、人口が巨大な東南アジアからインド亜大陸にかけた地域ということは、自明なのでは。中国は今後は生産人口比低下一途であり、ここに手をつけなければ貿易国家としてはジリ貧化必至だ。TPPを核としてこの地域の交易を活発化しようという試みを拒否したいのかな。代替案があるとは思えないが。

ともあれ、米国からみれば、日本は沈没していく国でしかない。下手をすれば、捨石として利用されかねないから、注意が必要である。一昔前の、日・独・伊ブロックという間違いを繰り返さないで欲しいもの。世界最強国たる米国の動きをよく見ながら、進路を設定しないとえらいことになるゾ。経済関係は安全保障と表裏一体なのだから。
虎・熊避けの駐留軍は傭兵ではないのだゼ。鷲の体質をよく考えて動かないと、痛い目に合わされるのは見えている。
フセインは汎アラブ運動組織化にカネを注ぎ込んでいたし、カダフィもアフリカ共同体作りに惜しげもなくカネをバラ撒こうとしていたのはご存知だろう。自由主義経済圏への挑戦者であり、結局のところ、「異端の革命家」として最期を遂げた訳である。簡単に言えば、地域安定のために軍事力を割いている地域で、勝手に経済圏を構築させないというのが、鷲の「核心的利益」ということ。こんなことは当たり前の話では。
その掟に表立って逆らうなど愚の骨頂とはいえまいか。弱者ができることと言えば、どうやって、上手く立ち回れるか。


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