■■■■■ 2011.11.17 ■■■■■

  常識的判断という言葉は今や死語

81歳の老人が飼い犬の散歩のため、夕刻に車で外出。ところが、車が横転し、3歳の同乗者と共に閉じ込められた。お陰で、雪が降って氷点下に達した寒い夜を一晩過ごしたそうである。たまたま、翌日昼頃に現場を通りかかった人がいて発見され、無事救助されたそうだ。

呆れたのは、3歳児が愛犬の暖で生存できたという美談に仕立てられた記事だらけだったこと。ほぼ全紙がそのトーン。

普通なら、この人の行動を以下のように読み取るのではなかろうか。
・何処へ行くかも伝えず、3歳児を連れまわした。
・携帯電話連絡もできない状態も意に介せず出発した。
・行方不明になっても誰も探しそうにない場所へと向かった。
・降雪予想の天候下で、人っ子一人いない河川敷にわざわざ行った。
しかも、車が横転。
反射神経の能力が落ちている年代であるにもかかわらず、不安定な箇所を無理運転したのは明らかでは。

・・・このように考えれば、どのような記事にすべきか自明では。
今や、「常識的な判断」は社会的に通用しなくなっているということか。こんなことを書く方が非常識と糾弾される時代に入った訳か。

(ref.)
「愛犬、命の灯包む 不明81歳と孫救出 浦臼」 北海道新聞 2011年11月17日
当サイト:「台風への対処を見ると、判断力の劣化が顕著」 (20110922)


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