■■■■■ 2011.12.7 ■■■■■

  菅政権が作り出した放射性セシフム問題が又一つ勃発

乳児用粉ミルクから放射性セシフムが検出され、出荷済商品の全品交換がメーカーから発表された。食品メーカーらしい態度と言ってよいだろう。
と言っても、トップメーカーだから、約40万缶もの無償交換を行うことになる。大事。

言うまでもないが、原料に生乳は使わない。多分、輸入品を使っている筈であり、そのなかに放射性物質が含まれることは考えにくい。
従って、検知された放射性セシフムは、乾燥用に取り入れた大気に混入した「福島原発からの飛来物」と見るしかなかろう。
ちなみに、「大気中から飛来か」と見出しで指摘しているメディアは1社だけのようである。

ところが、この乾燥作業を行ったのは埼玉工場。大きな地図で見れば、県庁に近い立地で、福島原発から遠く離れた場所にある。
NHKを筆頭とする日本のマスコミ報道しか眺めていなかった人なら、この場所であれば、常識的に放射能物質汚染などほとんど考えもしまい。と言うか、そういうことは考えるなとされてきたのである。なにせ、NHKなど、四六時中、安全ですから冷静に行動して下さいと連呼していたのだ。

しかし、海外紙を見ていれば状況は変わっていた筈。ドイツのシュピーゲル紙ではいち早く、「ブルーム( 放射性雲)」予測を公開した。当たり前だが、原発が爆発すれば、放射能物質は空中高く舞い上がり雲状になる。それが風で遠くまで流されるのである。気象条件を考え、その高濃度雲がどこに流れるか予測してくれた訳。
「ブルーム」が流れていく予測図を見て、放射能雲に覆われている地域に入ることがわかったら、外出を控え、塵埃吸入を避けると共に、できる限り家屋内に放射能物質を持ち込まないように工夫するのが自然な行動。もし、その時、たまたま降雨だったら、大変なこと。一気に放射能物質が地上に落ちかねないからだ。従って、そんな雨水を取り込まないように最新の注意を払う必要がある。
こんなことは、先進国たる欧州では「常識」。

ところが、日本の菅政権の姿勢は真逆。発展途上国の独裁政権並みの情報隔離方針を採用したのである。
世界に冠たる予測システムが構築済みであるにもかかわらず、「ブルーム」予測情報は一切非開示。
そして、首都圏は安全と繰り返したのである。

粉ミルクの埼玉工場はその方針に従ったにすぎない。

ご存知のように、海外も含めて、そうした政府の情報隠蔽姿勢への批判が目立つようになり、ようやく「ブルーム」予測情報が公開された訳である。しかし、それだけ。
政府は、風評被害を避けよと繰り返して叫び続けたのである。企業はこの方針に従わざるを得まい。
今回の粉ミルク問題の全責任は菅政権にある。
もっとも、彼らからすると、粉ミルクは安全ですから、ご心配にはおよびませんと言うことになるのだろう。メーカーが勝手に行っているだけですと言い張る訳だ。

(ref.)
「明治:粉ミルクから放射性セシウム検出、大気中から飛来か」 ブルームバーグ 12月6日
当サイト記載:  (独紙のブルーム予測図)「マネジメントの質で運命が決まる。」 2011.3.17


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