日本の赤ん坊は小さくなってきたとの話を耳にした。
どこまで本当なのか、気になったので統計数値を見たら、30年間にわたって、それこそ、順調に小さくなっていることがわかった。
○出生時男子の体重と身長-10年ごとの推移
3.23Kg 49.7cm
3.15Kg 49.6cm
3.04Kg 49.0cm
2.98Kg 48.7cm
○1年後男子の体重と身長-10年ごとの推移
9.71Kg 75.5cm
9.58Kg 75.4cm
9.51Kg 75.5cm
9.28Kg 74.9cm
小児肥満が叫ばれているというのに、赤ん坊だけが小さくなるというのは摩訶不思議。
妊婦教育内容は全く知らないが、小さな赤ん坊ほど体が弱いというのは常識ではないのか。にもかかわらず、どうしてこんなことがおきたのだろう。
まさかとは思うが、母親が痩身ダイエットしたりしていなければよいが。
あるいは、難産を避けるために、カロリー制限でもしているのかな。いかにも安産体形から外れた妊婦が多いようだし。
なんとなく気になったので、調べてみると、定説になっているとまではいかないようだが、最近は、「小さく生まれた赤ちゃんは、大人になってから、高血圧や心臓病、糖尿病などの成人病のリスクが高くなる」という理論が提唱されているようだ。
赤ん坊は、誕生までに、母親の胎内で系統進化をとげていると考えれば、胎児期の環境からの影響は甚大そう。従って、直観的に、さもありなんという気がする。
そもそも、小さな体で生まれたということは、母親が低栄養状態だった訳で、代謝能力が低い人体設計になっていてもおかしくなかろう。それに、妊婦が身体を動かさない生活に陥っていることも、それに輪をかけていそう。
従って、成長してから、バランスが悪い食生活でも始めれば、対応能力を欠くから成人病になりかねないということでは。
しかし、一般的には、「生まれてから何十年も経ったあとの病気のリスクまでが高くなる」という説は、なかなか受け入れ難いらしい。
(ref.)
「平成22年乳幼児身体発育調査報告書」 厚生労働省 2011年10月27日
福岡秀興(協力):「胎内で将来の病気の原因が作られる?」 子どもと食べもの
http://www.babycom.gr.jp/kitchen/kodomo/kodomo1-1.html