■■■■■ 2011.12.20 ■■■■■

 危機対応の議論に時間を割いて欲しいもの

つまらぬことだが、現政権の動きがえらく気になった。
原発事故に即応できない宰相を抱えていたお陰で、大規模災害を引き起こしてしまったからである。同じ轍を踏んで欲しくないもの。それだけのコト。・・・TVニュースで流れる、領袖死去を伝える特別放送の画面を眺めていてフト感じただけだが。

と言っても、北朝鮮について、まったく状況がわからないという訳ではない。全体像は意外なほどはっきりしていると言ってもよいのでは。・・・金王朝が支配する軍事独裁国家ということ。独立を守るため、他国が国内政治に関与できないように、権力構造については徹頭徹尾秘密主義を貫いている。その一方、伝わってくるのは大国意識。イデオロギー的支配が完璧に仕上がっていることを見せ付けてくれる訳である。挑発的行為が度々発生し、核兵器やミサイルにご執心なのも、これらを考えれば当然の流れだろう。

従って、とりあえずの見通しは立ち易い。・・・一族内紛か、軍隊の分裂が発生しない限り、早急な政権崩壊はなさそう。当面は、粛々と後継者へと権力が移行していくことになろう。

しかし、だからといって、現政権の態度は如何なものか。安全保障会議をすぐに開催し、すぐに終了とされるが、大いに気になる。以下を全部署で確認するためだけの会合で、はたして大丈夫かネ。
(1) 情報「収集」活動にさらに力を入れる。
(2) 関係各国との緊密な「情報共有」体制に漏れがなきよう動く。
(3) 不測の事態に備える。(所定の体制に移行ということか。)

万一の状況を考え、どうなりそうか少しは議論するのが、まともな姿勢とは言えまいか。
もっとも、その手の議論は別途密室で行わざるを得ないのかも。

もう一つ。それは、クリントン国務長官との外相会談。
記者会見内容には特段取り上げるようなモノなし状態。日本異質論(法治国家では無いとの指弾)のタネになりかねないハーグ条約話はあったようだが、全般的には、惰性的雰囲気濃厚。
北朝鮮については「様子見」というだけのことらしい。それはそうだろうが、肝心な点での意見交換がされたのだろうか。

誰が見たところで、北朝鮮国内でゴタゴタが発生するのは時間の問題。中国経済圏への組み込みが一気に進んでいるからだ。ここから生まれる利益配分を巡って問題が発生しない筈がない。金王朝がそれを抑えることができる可能性は低かろう。
ニュースでは、それを示唆してはいるが、「偉大なる後継者」による政策転換への希望も語る。ただ、今のままなら核兵器拡散が進むとの話がついたりして。こんな解説では、なにがなんだかわからぬ。

はっきり言えば、今の路線とは、「中国まかせ」ということだろう。問題は、それでよいかだ。 核兵器と膨大な量の兵器ととんでもない数の兵士を抱える国が統治できなくなる可能性が高いのである。エライこと。その時は、中国人民解放軍が進駐するしかあるまい。暗黙の合意がとれているのか。そして、それで、大きな問題はないのか。ロシアの突然の関与や、韓国国内での騒乱同時発生もあり得るのだから。そこを考えて、「偉大なる領袖」は動きまわってきたのはご存知の通り。
実際そうなったら、米国はどう動くつもりなのだろう。そして、日本に要求する役割とは。
そんなことを予め考えておく必要があるのでは。
と言うか、裏面で、それなりの筋書きができているに違いなかろうが、そんな話がどこまで現政権内で通用するのか気になる。

(Bloomberg-the Editors:) "U.S. Can Gain by Engaging New North Korean Hermit-in-Chief: View" December 19, 2011
(Blog-Council Foreign Relations; Sheila A. Smith: ) "Japan Responds to Kim Jong-il’s Death"


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