■■■■■ 2011.12.21 ■■■■■

 カロリー摂取量のお話

ご馳走三昧ウィークに突入する直前を見計らったように、栄養学的な研究成果の発表が行われた。イタリア系の学者が主導したらしい。食べ物の話だと、お国柄が関係するので、どうしても出身が何処か気になってしまう。
カロリーを取りすぎると、脳活動が低下するという実験結果。
まあ、科学者にご指摘されなくても、そう思っていた人は少なくなかろう。と言っても、それは、ご自分の頭で考えている層に限っての話だが。

話は全く違うが、カロリー話というと、日本ではすぐにBMI。
小生は、この数値で騒ぐことには疑問を感じている。人種や民族が違えば、体形が大きく違うのは明らかだし、生活の違いから健康な体形も自ずから違うと考えるのが自然だからである。
この数値は、重さを面積で割ったもの。それだけのこと。
要するに、エネルギーを必要とする細胞量をとりあえず体重とみなし、細胞内の燃焼エネルギーが体外に発散していく速度が表面積に比例すると考えてその近似値として身長の二乗を用いたということなのでは。即ち、代謝レベルの指標に過ぎまい。従って、その数値を肥満と直接関係付ける理屈が、素人にはどうにもわからぬ。何らかの前提条件があるなら、それなりに安直な判定項目として使える程度では。
もちろん、その人に必要そうなエネルギー量の多寡を、他の人と比較できるという意味では役に立つ数値だろうが、それ以上でも以下でもはなかろう。

まともに栄養学や代謝など学んだことがないから、よくわからないが、肥満か痩身かは、誰が考えたところで、体内にされている蓄積脂肪量だろう。それをBMIで予想できる訳がないと思うが。
何故、こんなつまらぬことを指摘しているかと言えば、こんな指標で、カロリー摂取をコントロールしようとしているから。小生には、はなはだ危うい思想に映る訳である。

そう考えるのは実に単純な理屈から。
動物の代謝機構は、予想できる範囲内の変動には対応できるだけの能力を持っているもの。しかし、それを酷使し続けたり、能力を大きく超えれば、甚大な影響を与える。特に、カロリー摂取量が消費量を大幅に超えてしまえば、全身の至る箇所に異常が現れるのは避けがたかろう。
健康を保ちたいなら、そんな事態をできるだけ防ぐことが第一。
BMIの見方はともかく、この辺りは、皆考えていること。

しかし、健康維持策となると、一番初めにカロリー摂取抑制が来る。この理屈にはついていけない。小生は、カロリー消費状況改善を追求するのが筋だと思う。戦後の栄養不良期を脱した後は、カロリー摂取が増えているとはとうてい思えないからである。

ド素人なら、対処策はこうならざるを得ない。・・・
(1) 体表面での発散量増大
・温度調節活動を不要にしかねない、過度な快適環境状況での生活をなるべく避ける。
・皮膚の新陳代謝活発化を阻害しないよう、皮脂や老廃物を適宜洗い落とす。
・風呂にのんびりと浸かる。浸透圧を考えると、塩分が含まれた湯がよさそう。
・酔いを強く感じない程度に、酒を呑む。
・腸管表面の活動を阻害しかねない、下痢や便秘を防ぐ食メニューに努める。これが極めて重要なのでは。

(2) 筋肉や脳での消費量増大
・長時間の静止状態(寝過ぎ、座りっぱなし、等)を避ける。
・軽度な全身的活動(家事活動、散歩、等)の時間を十分にとる。車で外出したら、歩行の機会もつくる。
・食い扶持のための仕事やエンタテインメント以外の、本気でうち込める頭脳活動に注力する。長時間没頭できる創作活動が一番効果が高そう。
・尚、筋肉や脳で、一時的にカロリーの大量消費が必要となりそうな活動は、能力向上効果はあろうが、健常のためには、成人はほどほどに抑えるほうがよかろう。

(article) "Another mince pie? Scientists find the secret to a long, indulgent life...Drug may offer gluttons anti-ageing benefits of low-clorie diet" the Independent 20 December 2011
(当サイト記載)
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