TVで、「違うアドレスにメールが送信される事故発生」とのニュースが流れた。そんなバカな。
日本の報道担当は、基本的素養なき人々だらけなのか。それとも、大騒ぎさせたいのか。余りに酷すぎる。
専門家でなくとも、インターネットがどういうものかを、ある程度理解さえしていれば、事故内容は想像できる範疇だからだ。
ちなみに、常識を並べてみようか。
(1) 機器を特定する固有電話番号(ID用ICチップ)と、インターンネット接続時点に端末に割り振られている固有番号(IPアドレス)にはなんの関係もない。
(2) 接続ONにすると、接続業者側から電話機にIPアドレスが設定される。OFFにした時、この関連付けは消去される。つまり、その時点から先は、このIPアドレスを他の電話機に割り当てることができるようになる。
(3) 宛先のメールアドレス(xxx@kkk.abcde.jp)は@以下がサーバのIPアドレスの「あだ名」になっている。IPアドレスは数値なので、その対応を教えてくれるサーバが設置されている。
(4) 端末からメールを送ると、インターネット網のどこかを経由して、その宛名に該当するサーバに到着する。
・・・構造上、届かないことはありえるが、間違ったアドレスにメールが届くことは考えられない。
そんな事故を示唆するような報道はどうかしている。
それなら、どういう事故かといえば、到達したメールの発信者のメールアドレスが「化けた」ということだろう。
つまり、メールを受信して、本文記載内容から送信者を想定して、そのまま返信すれば、「化けた」メールアドレスに送られるという話。当たり前では。
それに、日々、訳のわからぬメールを送りつけられていれば、送信者のメールアドレスが当てにならぬことを知らぬ筈はあるまい。
ただ、発信者のメールアドレスが「化けた」理由は、もちろんそういった「なりすまし」的なモードではなく、大混雑状況での設定タイミングのズレからくるものだろう。
単純。
(1) 通信輻輳に入ると、回線網防衛のために、一時的に通信遮断を行わざるを得ない。
(2) 回線側が端末接続をOFFにすれば、端末が使用していたIPアドレスはご破算。
(3) インターネット網では、メールはIPアドレスで管理される。
(4) メール到着前に、発信者が用いたIPアドレスが、通信網管理側によって、すでに他人の端末のIPアドレスとして使われていることがある。
大混雑になれが、到着時点で発信者とは全く異なるメールアドレス表記になってもおかしくなかろう。
これを避けるための手続きを入れれば防げる筈だが、それはサーバ負担をますます増やすことになる。混雑はさらに酷くなる。