■■■■■ 2012.1.10 ■■■■■

 ご参考に、ひねくれた見方を提供しておこう

間違われる方が多いが、本サイトはブログではない。そう言えばご想像になれると思うが、小生は、日本語ブログは滅多に見ない。ただ、僅かだが例外はある。

その一つが、バイオ系学者の方のブログ。学問上の功績の方は全く存じ上げないが、発想に親近感がわくので時々眺めている。
もしかすると、その生き方に魅力を感じているのかも知れぬが、深く考えたことはない。

そのブログの2012年 01月09日を読んだのだが、一寸気になった。話題は、「北朝鮮の漂流木造船の乗組員の帰国」。

その部分を引用しておこうか:
「北朝鮮から漂流してきた乗組員は飛行機で帰国とのこと。---騒ぎすぎでした。むしろ、ほんとうに大変でしたね、お疲れ様、ということばをかけてあげるのが、世間の常識でしょうに。死んだひともいたので、大変お気の毒でした。」

うーむ。
そうかも知れぬが、全く違う可能性もありそう。
それは、TVで映った漁船を見たから。

ポイントをあげよう。
・雪が降る厳冬期に北朝鮮から直接日本にまでたどり着く漂流例は極めて稀。
・驚くべき小さな船だ。ほとんどボート。
・この手の漁船に食糧備蓄はあり得まい。しかし、長期漂流に耐えたということは、緊急食糧を持っていた可能性が高い。
・漁具相当のものや、漁船向きの備品類は全く見当たらない。
・低温障害で死者が発生するほどの過酷な環境に耐える体力を持った人だらけだったのは間違いない。北朝鮮で、漁民が優遇食生活を送れるとは思えないから、体力があるとしたら例外的に強靭な人達だったに違いない。と言うか、常識的には、周到な訓練なしには、厳寒期長期漂流での生存は不可能と見るべきでは。
・しかも、よりもよって、国家をあげての葬儀期に発生。首領様死去発表後は弔意を示す必要があるから、漁船が出港することは考えにくい。その前だとすれば、これはもう奇跡のような漂流話。
・漂流者全員が北朝鮮帰国を要求したそうである。
・そうそう、一つ付けたしておこうか。中国漁船問題でわかったように、海上保安庁は政府首脳の指示通りの情報提供しかできない。又、原発報道で経験したように、日本のマスコミは常識的な推測を全く掲載しないことがある。

まあ、コトを荒立てずに済ませることができてよかった。
そういう点では、確かに「騒ぎすぎでした」。


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