「原理を崩す」、「原理に欠陥」、「基本法則に欠陥」、「原理に誤り」、「原理の破れ」、「常識覆す」、「原理の例外を実証」という派手な見出しが躍ったので驚いた。なかには、「新たな数式」とか「修正せまる」という言い方も。
大ニュースらしいので、
標準的と想われる記事を読んでみた。・・・"粒子の位置と速度のような対になる物理量を同時に精密に測定することはできないという基本原理(ハイゼンベルクの不確定性原理)があるが、これが成立せず、両者を同時に精密測定できる場合がある"ことが実験で証明されたとのこと。
素人にとっては、ふーん、という以上ではなかったというか、ピンとこなかった。もっとも、そんなこと当たり前か。
と言うことで、それ以上追求する気が失せたのだが、「より普遍的な理論に」という見出し記事があったので、なんとはなしに目を通してみた。
むむー。
途端に高校生の頃が蘇ってきた。こういっては何だが、算数と数学の違いを認識するようになると、物理の授業内容は曖昧でいい加減な感じがしたもの。小生にとっては、歴史と同じく、ツマラヌ暗記モノと化した。
不確定性原理にしても、受け取り方は人によって違うだろうが、測定方法で発生する誤差の話と、対象としている物質そのものが動いていて確定できない話がゴチャゴチャとの印象を持ってもおかしくあるまい。
しかしながら、どうせ凡人には理解不能として、すっ飛ばす訳である。それに、大学入試には役に立たないし。
それにしても、2011年から量子力学分野は花盛り。9月には「ニュートリノが光速を越える」、12月には「ヒッグス粒子存在」とのニュースがかけ巡った。
素人にしてみれば、三者三様。
おそらく超光速を信じる学者は少なかろう。実験の欠陥と見るのではないか。誰も絶対に口には出さないが、大衆ウケを狙った実験の宣伝と見る人もいそうだ。なにせ、問題は新仮説を欠く点。ガリレオが望遠鏡で月面を見せただけでは、学派達の考えは変わらなかったのと同じ。なんと、その凸凹像を否定したのである。
一方、ヒッグス粒子の理屈は、電磁波論と上手く噛み合ったエーテル理論の現代版に映る。現行の理論体形を壊さない理論は嬉しいものである。と言うか、超高額な粒子加速器の価値を示したことに、この実験の最大の意義があると見るべきかも。
今回の指摘はこれらとは質が異なる。同じようなアナロジーで言えばケプラーの楕円軌道論のようなものか。軌道は円という思い込みを一挙に崩した鋭い指摘。曖昧だった仮説を明確にしたという点で、小生はプロ中のプロの成果と見ている。早く言えば、頭で勝負して、皆の思い込みを覆したからである。
と言うことで、以上、素人論でした。
(記事)
「「不確定性原理」の例外を実証=量子物理学の根幹の一つ−名大など」 時事通信 2012/01/16
「「測定速度の壁」破る より普遍的な理論に」 産経新聞(中本哲也) 2012.1.16
「関係者に聞く「ヒッグス粒子発見」の真相」 ナショナル ジオグラフィック日本版 2011年12月22日