オリンパスの経営陣3名が、有価証券報告書の虚偽記載容疑で逮捕された。
「予想どおりで、意外性はない。」・・・ことの発端となった雑誌の発行人氏の見解。
大方の人も同じでは。これでなんとなく流れが決まった感。
ところが、そうはいかなかったのである。社外の飛ばし請負人も逮捕されたからだ。
「4人も一気に逮捕したのはちょっと意外」。つまり、第二幕開演の可能性があるということ。
ご存知のように、大手マスコミが揃って、知らん顔をしていたが、海外紙が報道して騒ぎになってから、ようやく世間にニュースが流れたのである。
つまり、日本では一番深く取材しているに違いないジャーナりストでさえ、意外な展開と語ったことにご注意あれ。
経営幹部の罪を問うだけで、適当な対処策でお茶を濁し、産業界に大きな影響が無いように終わらせる日本流解決策が裏目に出かねないかも。
この雑誌を読んだことがないからなんともいえないが、本格的にメスを入れるなら、どうして英国人をトップに据えたかから。そうでないと、話の筋としておかしくないかネ。もっとも、内向き思考だと、なにも感じないかも知れぬが。
海外のほんの一部を担当していたにすぎない、マネジメント序列下位のガイジンを、社長に抜擢することは、日本企業では、およそ考えられない話だ。(大手マスコミはこれを大英断として取り上げたことを覚えている人もいよう。同業他社に比べて借金過大なのに、オリンパスのCEOを世界を代表する日本企業の経営者として選んだのは、おそらく、その辺りが理由だと思われる。)
おわかりだと思うが、飛ばし屋が逮捕されたことが「意外」とされているから、ココが肝となる訳である。彼らの活動は国内だけでなかったのである。海外で、もしも資本市場のルールを壊す動きをしていたりすれば、日本とは違いとてつもない重罪となる。ここら辺りが闇。
つまり、この意外な逮捕で、日本企業の経営の問題で収まらない可能性が高まったということ。資本市場に及びかねない訳だ。
海外の捜査当局は、日本より先に動き初めたようだし、曖昧な形で終わらせる訳にはいくまい。何がでてくるかわかったものではない。
そんな状況で、株主訴訟が始まる。収益を度外視した動きも発生するかも知れず、現時点では、どのような展開になるかは見通しがつくまい。しかも、国際問題化したりすれば、日本の司法がどう判断するかは想像もつかないのである。
一気に、先行き不透明感に覆われた感じがする。
(記事)
「オリンパス菊川前社長らの逮捕について」 FACTA ONLINE 2012年02月16日
(当サイト関連記載) 「2011.10.31 野田首相のFTインタビューは遅すぎ」