■■■■■ 2012.3.2 ■■■■■

 オセロ中島騒動について一言

余計なお世話と言われそうだが、オセロ中島騒動について一言。

オセロ中島嬢が、占い師のマインドコントロールで、世間から長期断絶状態にあるとの話が、世間を賑わしている。
小生は、このタレントを全く知らないので関心は極めて薄いが、様々な世代の人が興味津々で推移を見守っているようだ。人気があれば当然かも。

ところが、先日、一流科学者が「この手の話は氷山の一角」との専門家の解説を聴いたと日記に記載していたので驚かされた。小生は、そんなことは当たり前と思っていたから。余りの落差に愕然。

と言う事で、参考になるかも知れないと考え、書き留めておくことにした。ただ、素人に毛の生えた程度の知識しかない人間が書いたものだから、そのつもりで。

コレ、病気の一種。ただ、社会的にはほとんど認知が進んでいない。昔の日本の、欝病と同じような状態。
皆が、欝を病気と理解し、本人もそう自覚するようになると、医師の診察を受ける抵抗感が消滅。そして、患者激増。今、日本はようやくそこまで来た。もっとも、未だに、鬱病患者に「頑張れ」と声をかける人が少なくない。自殺を呼び込む危険なことで、無知からとはいえこまったもの。

ただ、欝とは違い、この場合の患者はマインドコントロールされている側ではなく、占い師側。病気なのだが、本人はなんの苦しみも感じないし、自分を病気とは全く考えていない。
従って、周囲も病人とは見なさない。ここが問題発生の大元。

もしも、病人であることを見抜けず、健常人と考えてつきあっていると、マインドコントロールされかねないのである。マインドを奪われるだけならよいが、最悪の場合は、命も取られかねないのである。ご用心のほど。

この病気、一般名は、APD(Antisocial Personality Disorder: 反社会性人格障害)。この程度は知っておく必要があるのでは。
多分、単語として耳にしたことはある筈だが、理解不能な専門用語として片付けてきたため、頭に残っていないのである。

まあ、それも致し方ない。
三面記事を賑わす恐ろしい事件の裁判で出てくるような用語だから。突拍子もないことをしでかした被告を、なんとか救うための病名に映ってしまうのもわかる。
しかし、それは病気なのだ。欝病のように直せる疾病ではないかも知れぬが。

もっとも、APDをサイコパシー(精神病質)と呼ぶと、なんとなくわかった気になれるかも。
簡単に言えば、こちらは性格逸脱者。社会的にはプレデター(捕食者)として生きている人達のこと。
その特徴は、良心の呵責や他人への思いやりの念が皆無という点。
ただ、間違えてはいけないのは、社会的な善悪の判断ができない訳ではなく、善悪感情から完全に自由に行動できるというだけのこと。要するに、罪悪感や後悔の念が全く無いのである。
普通の人からすると信じ難いかも知れぬが、世の中にはそんな人が沢山いるのである。

そういうと恐怖映画的で恐ろしげ。
実際、その問題を扱った書籍の紹介を眺めると、その見方は間違ってはいない。・・・酸鼻を極める凶悪犯罪研究をベースとした、戦慄の一冊。ロバート・ヘア著「診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち」。
小生は未読だが、この本での重要な指摘は、このような人間はわれわれの身近に潜んでいるという点らしい。

上記の著者はサイコパシー診断基準開発者だが、北米には、サイコパスは200万人存在とか。
さらには、25人に1人の密度と見積もる学者も。

この数字、脅しの類ではない。おそらく、米国だから多いということでも無いだろう。日本は個人主義の社会ではなく、異質な人をコミュニティから排除する社会だから、そんな人達は例外的存在と勝手に思い込んできただけ。おそらく、日本も全く同じような状態であり、それが次第に露見してくるに違いない。

例えば、単なる引きこもり人間なら、そこここに存在しているのを知っていよう。そんな人達のなかなかには、サイコパスに該当する人も含まれているのである。
ちょっと見には、そんなことがある筈がないとなるが、よく観察すべきである。引きこもりについて、それなりの理由を述べたり、すまなさそうな心情吐露の発言もあったりする。そのため、事情を知らない人の同情を呼んだりするもの。しかし、コレ、働かないで食べていけるので発する言辞だったりする。サイコパスは、自分にとって都合がよいことならなんでもするもの。なにをするにしても、罪悪感や後悔の念が無いから、なんとでも言うのだ。当てはまっていないかネ。
その本質は、極端な自己中心主義者。しかも、他人との情緒的交流には無関心。これこそ、サイコパス。恐ろしい病気である。
ただ、現象面では色々なタイプが登場するので分類は難しい。・・・非行少年、詐欺師、暴力亭主、幼児虐待者、カルト教団の教祖、等。

(註)
ウエブのマテリアルを読めば、だいたいのことはわかるのでは。小生は読んでいないが。尚、小生が読んだことのある本は以下の一冊のみ。
マーサ・スタウト(木村博江訳):「良心をもたない人たち 25人に1人という恐怖」 草思社 2006年 ["The Sociopath Next Door" 2005]


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