■■■■■ 2012.3.7 ■■■■■

 首相・自民党総裁密談話の背景

どこが「密談」なのかさっぱりわからないニュースが流れて以来、政局話が花盛り。メディアは嬉しかろう。

確かに、なかなか面白い。当人は否定。しかも、場所や時間について確定している訳ではない。と言うか、あて推量の報道が多い。従って、普通なら、仕掛けられた可能性も云々されそうなものだが、マスコミ報道は総じて断定的。

首相補佐官が意図的にマスコミにリークしたことを意味していそう。多分、ホテルオークラでの昼食時に、極く短時間顔合わせしたということか。

密談をバラすのは、会談が決定的な物別れで不満が高じたか、組織内対立からというのが通り相場。しかし、今回はその線は考えにくかろう。

常識的には、とり急ぎ、解散-総選挙-大連立内閣樹立のベースシナリオ確認が行われたと読むべきだろう。詳細は後日ということ。
政治的安定を実現したい層からみれば、当座、これ以外に手はない。政党幹部、マスコミ指導層、高級官僚、財界トップ、が揃って容認可能な路線。口では、どう言うかはわからぬが。

まあ、体面上、与党・野党議員の多くは、国会対決が八百長的に映るし、許せぬ動きと発言するだろう。だが、政治屋稼業の観点に立てば、ホット一息というところでは。

その感覚がわかったのは、毎日新聞世論調査が出たから。
これは大政党にとって、一大事。問題は2点。
一つ目は、ついに、過半が既存政党から離れてしまった点。
(政党支持率)
 支持政党はない---54%
 民主党---14%
 自民党---13%
 みんなの党---6%
 公明党---5%
 共産党---2%
 たちあがれ日本---1%


二つ目は、もっと厄介。新党に議席を相当数奪われてしまうのが確実な点。
「大阪維新の会」の国政進出に「期待する」---61%
 民主支持層の65%
 自民支持層の57%
 公明支持層の51%


石原新党はほとんど影響しないが、「大阪維新の会」の躍進で既存政党の地図はガラリと入れ替わる。
これを避けるには、新党の組織化が進まないうちの、早期総選挙突入しかあるまい。これについては、 民主、自民、公明ともども、考え方は同じ筈。しかし、民主党は解散すれば大敗間違いなしだから、突き進むことはできかねる。
そうなれば、選挙後の連立内閣構造の密約でなんとかする以外に手はなかろう。

小生は、新党忌避がこれから急激に進むと見ている。それは、官僚制打破を本気で進める組織だからである。日本の社会は、官僚が牛耳っているというより、官僚が調整機構の役割を果たすシステムであり、これを壊すことは革命的なこと。腐敗追求程度なら黙認するが、仕組みを壊す動きを本気で始めそうになれば、既存組織は立ち上がらざるを得なくなる。

(記事)
「毎日新聞世論調査:「維新に期待」61% 石原新党、伸びず38% 」 毎日新聞 2012年3月5日


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